壊れたり、中古市場でもカスみたいな価格しか付かない遊技機は、どうしてるんですか?-回答

今回は、ホールから撤去された遊技機がどのような運命を辿るのかについてのご質問にお応えします。

 

えべっさん さんからのご質問

こんにちは。

 

スロット台の事について、少し気になった事があったので、問い合わせしてみました。

 

20年も前の話しですが自分は■(注:都道府県名)に住んでいて、そこで6~7店展開している■(注:系列店名)の■店(注:店名)でよく遊んでいました。

 

その店の裏手にあるゴミ捨て場に、たまに台が捨てられていたのですが、街中に割と大きい台がポツンと捨ててあるのはけっこうシュールな光景でした(笑)

 

まだ動くかなと思って家に持って帰って試した事もありますが、当時は家庭用電源で動かないらしいとか、そのような事はまったく知らなかったので故障品だったのかどうかすらもわからないまま、またこっそり捨てにいったのは良い思い出です。

 

ちなみにツーペアです(笑)

 

こういう事はもう何年も見かけていませんが、店の方でも台を壊れるまで使い倒す時代ではなくなって売れるうちに中古で売るようになったからかと思います。

 

でも、ネットで見ていると台パンされたりジュースを流し込まれて壊れたりしているのを見かけたりしますが、ああいう風に実際に壊れてしまったり、中古でまともな値段にならないような台は、今はどうしているのでしょうか?

 

その台のメーカーが引き取るのでしょうか?

 

ゴミ捨て場で見かけなくなった台の行く先が気になります。

 

探偵〇イトスクープの投稿みたくなってしまいましたが、質問は以上となります。

 

どうぞよろしくお願いします。

 

回答

山佐の旧台

まず、ご質問自体とは関係ないのですが、かなり久し振りに目にした機種名なので、懐かしくて思わず機種情報を調べてみました。

ツーペアー

©YAMASA

ツーペアー(1999年 山佐)

 

記憶の限りですが、関東圏でもそこまで設置台数が多くなかった、或いは同時期の花月の陰に隠れて話題になる事は少なかった機種かと思います。

 

いずれにしても、この私も当時は管理職ですらないので、営業貢献度がどんな感じの機種だったのかすらも分かりませんが、ゴミ捨て場にポツンと置いてある姿を想像すると、哀しい気持ちになりました(笑)

 

えべっさん さんもご指摘の通り、当時はパチンコ/スロット機の廃棄に関して、適当なお店もかなり多かった時代です。

 

普通、といっては本来はマズいのですが、「当時の常識」としては、故障機でも使える部品はあるので可能な限り「部品取り」して、それで本当の意味でスクラップになった台は倉庫に適当数保管しておいて1年に1回くらい業者さんに依頼してトラックで持って行ってもらうようなお店が多かったかと思います。

 

ですが、やはりそういう事も面倒で、お金もかかる訳ですから、ええい捨てちゃえ!と、世の人々の目にも留まる街のゴミ集積所に捨ててしまうお店もあり、今回話題にしているお店も、その中のひとつだったのでしょう。

 

P-WORLDで調べさせて頂くと、今でもエリア内では適当数の店舗数を維持しているホール企業/店舗のようですから、激動のこの20年を生き残ったという事に、取り敢えずは拍手を贈らせて頂きたいと思います。

 

それでは、回答の本題に入って参ります。

 

結論

まず、結論から先にお話しします。

 

故障機からの違法な部品取りおよびその後の廃棄については、既に先ほどの雑談の中で軽く触れましたので端折るとして、撤去後の正規のルートについてお話ししたいと思います。

 

撤去後の遊技機の流れとしては↓

 

  • 中古機として流通
  • 「回収」ラインに乗って廃棄/リサイクルへ

 

この2つが挙げられます。

 

今回のご質問では、後者の流れを説明させて頂く事で、ご理解が得られるかと思います。

 

よって、後段では、「回収」ラインとは何か、どのような者がそれに携わっているのか、といった事について、順次お話しして参りたいと思います。

 

「回収」ラインについて

まずは、3つある「回収」の区分について、ごく簡単にではありますが解説させて頂きます。

 

①下取り回収

メーカーが事前に指定した遊技機を回収する事

 

②買い取り回収

リサイクル処理会社が買い取り対象とした遊技機を回収する事

 

③広域回収

メーカー団体である日工組が、産業廃棄物として回収する事

 

こんな感じです。

 

①について、私はあまり新機種紹介の記事を書いたりはしませんが、たまに紹介した際に、販売条件のところに

 

「値引き:下取り対象機A、B、C=@5,000円」

 

などと記載する場合がありますが、そういうのが下取り回収にあたります。

 

また、②については、以前三共が甘デジのシンフォギアを出す際に、当初の予定よりもかなり多い台数規模で販売する事を決めた際に、同機に使用するフォーチュン枠の部材の調達の状況について記事にした事がありました↓

【参考】2018年9月14日公開

『甘シンフォギア増産へ-SANKYOが部材調達に全力』

 

この記事中で↓

 

リサイクル会社であるユーコーリプロ(福岡県)にも打診した上で、上記枠機種の特に液晶周りの部材を自社工場に回収する動きを見せており…

 

こういった事をお話ししていましたが、これが買い取り回収にあたります。

 

最後の③については、産業廃棄物としての回収にあたりますから、何となくイメージできるかと思いますので、解説は割愛致します。

 

次に、回収の経路について解説して参ります。

 

回収の流れ

以下、回収ラインを流れで見てみます。

 

ホール/販社倉庫

ぱちんこ業界が指定している各「指定輸送会社」の車両で運送

上記運送会社の倉庫に一時保管

メーカー団体である日工組が運営する「遊技機回収管理センター」

ぱちんこ業界が指定する「最終処理(リサイクル)会社」

適宜、部品単位まで分解

各メーカーが回収を依頼していた遊技機の必要部品を引き上げ

 

ごく簡略化すると、こんな感じになっています。

 

注意すべき事としては、回収ラインに携わる全ての会社や個人は、業界が指定/許可した者である必要があるという点です。

 

撤去後の遊技機の受け渡しの過程において、例えば運送会社のドライバーさんも含めて、面倒ですがその都度署名や専用の伝票の確認、シール等の貼り付け等による管理が必要になったりします。

 

このシールは回収台管理票と呼ばれていて、どのような回収台なのかを区分する役割がありますが、ホール側の者は回収ラインに乗った後の台の扱いの詳細については知識は無く、私に関してもそこまで詳しい解説はできませんが、付き合いがある販社さんから事情を聴きますと、青色/オレンジ色のシールを貼り分けて回収するとの事でした。

 

これまで解説して来た事に関する資料を、いくつか紹介しておきます。

 

資料

遊技機回収について

遊技機回収にご協力下さい

遊技機回収依頼兼回答書

©日本遊技機工業組合

 

なぜ、このように面倒なのか?

こういった、一般の方から見ればちょっと面倒なやり方で撤去遊技機を回収する狙いが、どこにあるかと言いますと

 

  • 撤去遊技機の不法投棄の撲滅
  • 高い精度で部品のリサイクルを進める

 

この2点が挙げられるかと思います。

 

前者に関しては、若い方はほとんどご存知ないかと思いますが、十数年前までは例えば北関東の某所の山奥にパチンコ台が山積みに捨ててあったりする事が問題になっていたりします。

 

また、後者に関しては、部材費の高騰によりメーカー側もより効率良く部品を確保する必要があるそうで、まだ使えるならなるべくこれを活用したいという思惑があると言えます。

 

ICチップや基板などの部品はゲーム業界はじめ他の産業界でも使用される訳ですが、それこそ えべっさん さんがゴミ捨て場からツーペアーを持ち帰った当時とは、産業としてのパワーが格段に落ちているのが現状ですから、部品のメーカーが遊技機メーカーに対して、好条件で優先的に部品を供給するという時代ではなくなっているものと推察します。

 

なので、やはり今回解説させて頂いたように、積極的に自社製品を引き上げて、使える部品は再利用する、という施策は、賢明であるように思います。

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今後は、回収ラインに乗る遊技機が増える

業界事情を考慮しますと、現在全国のホールに設置されている多くの遊技機は「旧規則下で検定/認定された遊技機」であり、これは期間の満了或いは規則改正に伴う経過措置の終了によって、ホールから撤去される運命にあります。

 

という事は、経過措置の期限である2021年の初頭にかけて、相当な台数の遊技機が、前述した回収ラインに乗る事になります。

 

ここで、業界側が憂慮しているのは、何らかの不備によって、回収台の一部が悪意ある輩へと渡って不正改造され、それがいわゆる「闇スロ」等の違法営業に転用されてしまう、という事です。

 

業界の正規の流通/回収ラインから離れた撤去遊技機の事にまで、業界側が気を揉む必要はないだろうという声もあるかも知れませんが、業界の監督官庁である警察庁は、この闇スロ店舗にパチンコスロット機が転用されている事についても、業界は責任を持って対処すべきとしています。

 

最期に、これは余談ですが、回収に携わる会社や業界団体は、社会貢献の一環という意味合いも含めて植樹活動を行っています。

 

これはなぜかと言いますと、遊技機を構成する部材として木材が用いられる割合も大きい事から、対世間を意識してのPRの目的も兼ねて、記憶の限りになりますが2000年前後の時期から熱心に行われるようになったと把握しています。

 

そんなこんなで、ユーザーの皆さんはあまりご存知ない事ですが、ホールとメーカーだけではなく、販社、運送会社、リサイクル会社の方々などの尽力もあって、ぱちんこ業界は成り立っているという事がご理解頂ければ幸いです。

 

以上、今回のご質問である、

 

ゴミ捨て場で見かけなくなった故障機は、どこへ行ったのか?

 

という事について、回収の事情を解説させて頂き、それをもって回答とさせて頂きました。

 

 

十分な回答になったかは分かりませんが、今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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[記事情報]

2019年5月23日公開

2 comments on “壊れたり、中古市場でもカスみたいな価格しか付かない遊技機は、どうしてるんですか?-回答

  1. ジャグキチ

    で、クソみたいな値段しかつかない中古機についてはいかがされるのでしょうか?

    Reply

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