「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機」について、警察庁がメーカー責任を有耶無耶にした理由は?-回答

今回は、同業の方からのご質問にお応えします。

 

V さんからのご質問

はじめまして

 

私は、現在本社の■(注:部署名)に在籍している同業の者です。

 

副店長経験が■年ほどで、店長経験はありませんが、業界歴は店舗付の時代も合わせますと■年ほどになります。

 

いつも記事を拝見し勉強させて頂いております。

 

発信なされている内容からは、エンドユーザーが業界で何が起こっているのか知る術がないような状態はおかしい、可能な限りの情報を紹介し判断はユーザーに委ねる、というお気持ちが伝わって来て、私はそれに深く共感しております。

 

かといって私のような者に、一体何ができるのかといつも自問している毎日ですが、少なくとも弊社におきましてより若手の者に対してアドバイスする機会はあります。

 

そのような時に楽太郎様が打ち手の読者様からの質問への回答で、いつも懇切丁寧に答えておられる様子を思い浮かべながら、私もそのように若手に対して接する事ができればと思いながら、励んでおります。

 

さて、前置きが長くなりましたが、この度ご連絡させて頂いた本題に入らせて頂きます。

 

メーカーが検定取得時と違う状態の釘で納品し、それがマックス機の撤去問題に発展した事に関してですが、楽太郎様に情報提供しておられる方が、警察に対して、その後メーカーにどのような指導を行ったかを記録した資料を公開するように請求した記事を拝見しました。

 

全日遊連のデータベースには無く、組合の方からも通知されていない資料でしたので、まずはこういったものがあった事と、その資料に書いてある内容のいい加減さに驚きました。

 

警察は、釘の問題でメーカーの責任も求めていくとしておきながら、その後は有耶無耶になっていたのですね。

 

最終的にはカジノ法案と依存症対策もあって規則改正になり、メーカー側は警察の意向に沿った新規則機を開発する事で免責されたように思います。

 

ホールはさほど機械代の値引きをしてもらえない中で数十万台の入替を行い、打ち手側にはその負担の多くが転嫁されました。

 

今さらな話ではありますが、資料を拝見して当時の異様な状況が思い出され、すっきりしない気分になった次第です。

 

この度、楽太郎様にお聞きしたいのは、警察はなぜメーカーの責任を有耶無耶にしたのか?という事です。

 

私のような者には

 

①メーカーを処分すると、入替が進まないため

②メーカーを処分すると、保通協の試験料が激減するおそれがあるため

 

これくらいしか思い浮かびませんでした。

 

それとも何か、政治的な力が働いたのでしょうか。

 

楽太郎様は、この件についてどのようにご考察されておられるのか、ご教示頂けますとありがたいです。

 

お返事は急いでいませんので、よろしくお願い申し上げます。

________

ここまでが、V さんからのご質問です。

 

それでは、回答です。

親ペンギン挙手

回答

過去記事および資料の確認

まずは、今回V さんからご覧頂いた記事と、そこで紹介させて頂いた資料を確認してみます↓

 

【参考】2018年7月8日公開

『日工組の回答内容公開-旧MAX機の撤去問題に発展した「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機を出荷した原因」』

釘問題-開示

78-2018-1

78-2018-2

こちらですね。

※情報提供者の特定に至る箇所は、黒塗りで伏せてあります。

 

それでは、ご質問にありました

 

「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機」について、警察庁は当初、メーカーの責任も求めていくとしておきながら、最終的には有耶無耶にしたと言える。

これは、なぜか?

 

こちらに回答させて頂きます。

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結論

あくまでも、私見ですが↓

 

カジノ関連の動きが具体化して行く過程で、警察庁の中では、既に規則改正が視野に入っていた。

 

その中で、「ギャンブルと遊技の区別」「射幸性の抑制」「依存問題対策」は主要テーマになって来る。

 

メーカー責任と断じた場合は、欠格事由として向こう5年間の検定申請が不可になるため、改正規則に基づいて開発された射幸性を抑制した遊技機を市場に供給する事が、困難になる事が想定された。

 

仮に、ホール側から「違法機」販売の責任が問われた場合は、売買契約の解除および返金、或いは損害賠償請求に応じる必要性が生じ、やはり改正規則に基づいての新機種の供給が、困難になる事が想定された。

 

また、そもそもの発端としては、当時のホールにおいては、一般入賞口の入賞個数を極端に減らして、大当たり抽選に直結する始動口の入賞の方に偏らせるような「性能の改変」が横行していた事が挙げられる。

 

これは、風適法に定める「著しく射幸心をそそるおそれ」のある状態と見なせるため、警察庁としては、ギャンブルと遊技との区別を考えた際に、メスを入れるべき問題と言えた。

 

この、一般入賞口への入賞個数については、保通協の試験に適合する性能とは、「10分間に数十個がコンスタントに一般入賞口に入賞する」ものとしていた。

 

計算上は、10分間に50個が一般入賞口(10玉賞球)に入賞すれば500個であり、それが1時間の遊技であれば500個×6倍で3,000個の賞球となる。

 

これは4円パチンコでは12,000円相当であり、本来大当り玉以外に遊技客に払い出されるべきものであるが、警察庁としては、このような性能の遊技機を、いわゆる「業界等価」営業で使用できるのかどうかを、ホール側に問う良い機会になると考えた可能性もある。

 

警察庁にとって、「業界等価」は射幸性が高く、ギャンブルとの区別を念頭に置いた際には是正すべき事であった。

 

また、いわゆる特殊景品に交換需要が集中する状況から、交換ギャップを創出する事により、一般景品の交換需要が増える事も狙った。

 

つまりは、景品交換における健全化も、同時に進めようとしたとも考えられる。

 

このように、カジノ関連の動きにも同時進行的に対応するためには、メーカーだけの責任にするのではなく、ホールも巻き込んで業界全体としての自主的な取り組みとして事にあたらせるのが得策だと、警察庁は判断したのではないか。

 

・・・回答としては、ざっとこんな感じです。

 

V さんとしては、

 

  • 警察庁はそこまで見越してはいなかったのではないか?
  • 事を長引かせたり各ホールに立ち入って機種ごとに個別に点検するだけのマンパワーを割けないので、有耶無耶なまま業界全体の責任として約76万台を段階的に撤去させただけでは?

 

このような印象をお持ちになるかも知れませんが、警察庁は最後の最後まで

 

「検定機と性能が異なる可能性がある遊技機」

 

という表現をしており、

 

「検定機と性能が異なる

 

とは言っていません。

 

これはやはり、そのように断言してしまうと、どうしても多くのメーカーに対して行政処分を下さざるを得ず、その結果、向こう5年間の検定申請が不可能になったり、ホールに対する賠償責任等が発生する可能性も生じるため、当時目の前に迫って来ていた

 

  • ギャンブルとの区別の必要性
  • 射幸性の抑制
  • 依存問題対策に資する遊技機性能へと改める

 

こういった事に対応させるのが難しくなると踏んだ、という訳で、一応は根拠がある推論と言えるかと思っております。

 

また、これはホール側の私が述べさせて頂くのも突っ込みどころがある話ですが、ご質問者が同業という状況ですから、敢えて付言させて頂けば

 

「メーカーがどのような釘の状態で納品しても、ホール側は好き勝手に釘を曲げて、検定機とは全く異なる性能へと改変していた」

 

訳ですから、メーカー責任も何も無い、というご意見をお持ちの読者も沢山いらっしゃるだろうと言う事で、締めさせて頂こうかと思います。

 

以上、あくまでも私見ではありますが、回答させて頂きました。

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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[記事情報]

2019年6月7日公開

2 comments on “「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機」について、警察庁がメーカー責任を有耶無耶にした理由は?-回答

  1. のんべえ

    「メーカーがどのような釘の状態で納品しても、ホール側は好き勝手に釘を曲げて、
    検定機とは全く異なる性能へと改変していた」

    wwwww
    まさに一番の突っ込みどころですな。
    この1文で記事全体が引き締まってよい感じです

    Reply
  2. ゴンザレス

    まあ、数千社のホール企業と、やる気と信用がピンきりの地方警察組織(47プラスα、所轄を入れれば数千?)を相手にするよりは、川上で供給源である10社程度のメーカーを厳しく管理した方が楽だし効果的でしょうね。

    しかし「可能性がある」の一言で黙らすとは、警察も立派な官僚組織なんですねぇ(笑) この一言だけで脛に傷がある連中はぐうの音も出ない(´・ω・)

    それにカジノが現実になり、カジノとパチンコの違いを風営法に求める状況を続けるなら、風営法は遵守しなければならないのは当然の事でしょうね。

    仮にパチンコ議員様が当選した所で、「法律に守られたいなら法律を守れ」というのは変わらん。

    議連の主張するように風営法を現在の状況に適した形にするならカジノとの境が更に曖昧になる。

    「いっそのこと」と民間賭博と法律で認めたら、その時点で日本は全国津々浦々に数千店の民間カジノがあるという、世界有数のカジノ大国が出来上がる。既に既成事実ではあるとはいえ、その現実を国会やら何やらで認めるのは勇気が入りそう。

    面白くはある。これほど巨大な既成事実をどう扱うのか、何を犠牲にして何を得るのか。それとも議員達の力を使って曖昧なままにして、緩やかな衰退を続けるのか。

    Reply

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