ホールが用意したスペック表と、実際の大当たり確率が違う場合に、使用金額の返金を求める事は可能か?-回答

今回は、ホール内におけるパチンコ機のスペック表記に関するご質問にお応えします。

 

枠下@夜戦するクソ台ハンター さんからのご質問

ネタ提供。

 

ホール掲示のスペックが間違っていた場合の責任は?

 

ホール作成の遊技説明に「1/99」の甘デジとされている機種がありました。

 

しかし、毎回のようにハマるので不自然に思い、セルを見ると「1/199」であることが判明しました。

 

どうりで当たりが重いはずです。

ガオガオキング1/99表記

ガオガオキング盤面

ホールも意図的に間違いスペックを掲示したわけではないと信じたいのですが、このような遊技者が「甘デジ」だというホールの案内を信じて遊技をして負けた場合、錯誤による無効を主張し返金してもらえるのでしょうか?

 

確認しなかった遊技者の自己責任でしょうか?

________

ここまでが、枠下@夜戦するクソ台ハンター さんからのご質問です。

(TwitterのDMでのご質問につき、句読点/改行等、記事の体裁に仕立て直してあります)

 

それでは、回答です。

 

回答

結論

まず先に結論からお話しします。

 

ホールに対して投資金額の返金を希望した場合には、応じるお店は残念ながら少ないかも知れません。

 

経験的にですが、こういう事に関しては、仮にお店側に過失があっても、適当に誤魔化すお店が多いからです。

 

しかし、訴訟案件になった場合には、お店側の非が認められて返金対応になるものと推察します。

 

その根拠としては、やはり景品表示法が参照される事になるかと思います。

 

法令に関する知識や判例が豊富な訳では無いので、あくまでもこうしたブログを日々運営している中で得た知識の範囲内でお応えしますが、ユーザー側の立場で見れば、本件は景品表示法にて規定されている「優良誤認表示の禁止」にあたる事案です。

 

消費者庁HPにて公開されている説明書きを引用すると↓

 

商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が優良誤認表示に該当します。

なお、故意に偽って表示する場合だけでなく、誤って表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当する場合は、景品表示法により規制されることになりますので注意が必要です。

 

このように規定されています。

 

本件は、実際の大当たり確率設計値である1/199を、1/99として表示してあり、ユーザー目線で見れば

 

「当たりが軽い設計値の機種だから打ってみよう」

 

と、遊技意欲を喚起させられる可能性が高いと言えます。

 

この事に関しても、消費者庁HPによれば↓

 

不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)

 

このような説明があるので、本件はまさに該当していると判断して良いかと思います。

 

判断上のポイントになるのは

 

故意に偽って表示する場合だけでなく、誤って表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当する場合は、景品表示法により処分される

 

という点ですね。

-広告-

他業種における類似案件

では、実際にぱちんこ業界でこのような訴訟案件があるのかと聞かれますと、残念ながら該当する判例を見つける事はできませんでした。

 

しかし、他業種においては似たようなケースがあり、事の本質的には同じであろうと推察されるものが、いわゆる有料の「ガチャ」(電子くじ)業界に存在していました。

 

私はこのガチャというものをやった事が無いので、あまり詳しい解説はできませんが、行政処分になった事例1件を、要点だけ掻い摘んで紹介します↓

 

・スマホ対応の「THE KING OF FIGHTERS’98 ULTIMATE MATCH Online」は、格闘ゲーム形式でキャラクターを購入する電子くじ(=ガチャ)である

<運営会社情報>

名称:アワ・パーム・カンパニー・リミテッド
所在地:中華人民共和国北京市海淀区宝盛南路1号
代表者:法定代表人ケ・パン
設立年月:2004年(平成16年)8月

 

・ある特定のキャラクターの当選確率を3%と表記していたが、実際の確率は0.333%であった

 

・ガチャ業界には、それ以前にも同様のケースがあったが、そういった場合にはあくまでも運営側の過失として、単に表記内容等を修正処理するだけであり、購入者への返金対応等は必ずしも実施されていなかった

 

・しかし、本件においては、消費者庁は2018年(平成30年)1月26日、希少キャラクター「クーラ」の当選確率を実際より高く見せかけたのは、景品表示法における違反行為(有利誤認)に当たるとして、再発防止を求める措置命令を出した

 

・消費者庁表示対策課は、「確率を誤認し、多額のお金を費やした人がいるとみられる。不当表示には今後も厳正に対処していく」と言及した

 

こんな感じですね。

 

消費者庁が規定する景品表示法の概要については、下表のとおりです↓

景品表示法概要

[参照]消費者庁HP 景品表示法関連報道発表資料

News Release

「アワ・パーム・カンパニー・リミテッドに対する景品表示法に基づく措置命令について」より

 

景表法?刑法?

回答としては、こんな感じになる訳ですが、今回のお問い合わせでは実際に訴訟や行政処分案件になってみないと、私にはどうにも良く分からない事が1つあります。

 

それは、本件が、これまでお話しして来た景表法が適用されるものなのか?

 

それとも、刑法が規定する「詐欺罪」にあたるのか?

 

という事です。

 

詐欺罪は、「人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得」る行為であり、その根底には意図してそのような行為に及んでいる、という悪意が存在しています。

 

刑法であれば、まさにぱちんこ業界の監督官庁である警察庁が関わって来る案件でもありますから、本気で本件について突っ込んだ回答を求めたい場合には、まずはPSIO(遊技産業不正対策情報機構)や所轄も含めた警察組織にお問い合わせ頂き、意図してそれを行っているのかお店側に確認を求めるという手順が第一になるかと推察します。

 

それで、

 

「いや、意図して行ったのではない、指摘されるまで気付かなかった(=過失)」

 

という場合は、景表法に照らし合わせる事になり、結果としてはどちらに転んでもお店側に非があり、使用金額の返金を求めた際には、それなりの対応責任が発生するのでは?

 

というのが、私の見解になります。

 

 

以上、十分な回答になったかは分かりませんが、今回はこれくらいにしておこうかと思います。

コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。

 

 

「どっちにしろ、アウト~と思う方や、「なんだかんだで、毎日覗きに来ている」という常連読者の方は、1日1回のボタンPUSHにご協力願います↓ m(_)m
にほんブログ村 スロットブログへ
にほんブログ村

 

[記事情報]

2018年11月19日公開

7 comments on “ホールが用意したスペック表と、実際の大当たり確率が違う場合に、使用金額の返金を求める事は可能か?-回答

  1. 匿名

    ハイパーでないリノにでっかくノーマル機という表示を付けてパルサーや花火の間に設置するなんてのは悪質だが、天井ゲーム数書いてあっても間違ったりするし店が台について把握し切れてないのもありそう

    Reply
  2. ぱち2年ご無沙汰です

    客は本来選んだであろう1/99の別の台を打とうが1/199のこの台を打とうが建前上 大差ない金額の遊戯料金を支払う事になるはずなので経済的損失の保証を得ることは無理。 (その店で他の台打った事無いとか、その台が1/99でなければ遊戯そのものを行わなかったとかを客観的に示せないのでは?)
    或いは1/99の台の遊戯代金は小額になるとの訴訟に耐えうる公開された客観的データでも存在するのでしょうか。。。

    個人的には口頭の謝罪と台の表示の訂正程度で店としては充分な対応の気がします。

    Reply
  3. 徳名

    「商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って」
    甘デジのがライトミドルより性能が優れている訳では無いのでガチャを例題として出すのはどうなんでしょう?

    でも、まぁスペック違っている事に気づかず遊技して、負けたら怒るよね!

    確率が約半分なんで、返金も半分でw
    無理かw

    Reply
  4. 匿名

    スペックより過剰に出てしまった場合は返金願います。

    的な水掛け論になりうる記事だね

    Reply
  5. まるちゃん

    趣味で独禁法を勉強してるP店従業員です。

    詐欺と景表法にフォーカスをしぼります。両者の境界線は曖昧なところがありますが、「取引行為」なのか「取引ですらない」のかは一つの線引きになります。

    詐欺は「明らかに騙す」意図で行為を行うので、通常、被害者の損害に見合う対価の提供がありません。企業犯罪だと「てるみくらぶ」や「はれのひ」の事件が記憶に新しいかと思います。
    これに対して景表法は「一応、取引の範囲内」といえる行為が対象です。消費者保護の観点から企業の「いき過ぎた取引行為にブレーキをかける」ことが目的なので、逮捕して市場から退場させるのではなく、監督官庁の排除措置で軌道修正を図ることになります。

    この分水嶺は難しいですが、行為者の意図、客観的にみて取引といえるか、などなど諸般の事情を勘案することになるかと思います。

    スペック表の違いは、意図して全台やっていたならまだしも、一部機種のみだけなら「騙す意思」まであったとは言えないと思います。そうすると、景表法違反の行為とされることはあっても、詐欺とまではならないのではないでしょうか。

    Reply
  6. ゴンザレス

    故意か過失か、何かの法に抵触するか否か、それらには関係無く、とり合えず店の印象は相当悪くなりますね。

    店にとっては「客の一人の印象が悪くなってもそんなの関係ねー(笑)」くらいの軽い気持ちかもしれませんが。

    Reply

コメントをどうぞ! ※2018年に入ってから、本社業務が加わって忙しい立場になってしまいました。返信ご希望のご質問などは、お問い合わせフォームをご利用下さいませm(_)m