今回は、いわゆる「リールガックン」についてのご質問にお応えします。
Contents
じん さんからのご質問
はじめて質問致します
宜しくお願いします
リールガックンはなぜするのでしょうか?
メーカーはわざとそうなるように作っているのでしょうか。
それともハード、ソフトいずれかの理由でそうなってしまうのか?
でも、ガックンしない機種もありますよね。
そういうのは対策して作っているからなのでしょうか?
教えて下さい
________
ここまでが、じん さんからのご質問です。
(全文そのままです)
それでは、回答です。
回答
所感
まず、本件についてですが、新機種が出て来るたびに、この機種はリールガックンする/しない、といった具合に、解析サイトさんやユーザー同士で結構話題になる事と言えます。
しかし、その理由や筐体の構造などに関しては、普通はいちいち突っ込んで考えたりはしません。
私自身、なぜその違いが生じるのかについて興味があり、せっかくの機会ですからこの手のお問い合わせ時に開発側の観点でコメントを頂戴している情報提供者(以下、A氏)に連絡して、教えて頂く事にしました。
後段では、その遣り取りの内容をご覧頂き、その内容をもって本件への回答とさせて頂きます。
遣り取りの内容
以下、A氏との遣り取りの内容です。
________
楽太郎
「おはようございます」
「今度は、こんなお問い合わせが…」
「ホール側の私では、回答できない性質のものです↓」
(お問い合わせ文面をコピペ)
「のんびりで構いませんので、見解を教えて下さると助かりますm(__)m」
A氏
「お疲れ様です」
「これくらいなら、午前中に返信可能です」
「以前、メカ屋とハード屋、両方から聞いた内容も含めてお答えしますね」
楽太郎
「助かります」
「宜しくお願いしますm(__)m」
A氏
「お待たせしました」
「以下、いわゆるリールガックンについて、回答いたします」
「なぜ、リールガックンするのか?」
「ざっくり言ってしまえば、リールモータの性能の問題です」
「分かりやすく、リールガックンの代表をサミー、リール非ガックンの代表をユニバとして説明いたします」
「サミーのリールモータはハイブリットモータで、回転数も高く、回転数や止まった場所の制御についても業界で使っている中では一応最新鋭です」
「止まった場所を参照し、その位置から始動をするよう毎ゲーム制御がかかるようになっています」
「かつ、回転数も高いので、モータに直接軸があり、リールドラムを直接回転させることが出来ます」
「故に、外から見た場合、リールがモータの影響を受けたのが、見えやすいようになっています」
「例えば、リールが1回転したときに必ず1の位置から次の回転をスタートするようになっているとします」
「それが、誤差の範囲内で1.03の位置まで動いてしまった場合、必ず、0.03分戻す動きをかけます」
「その場合の動きが大きいのが、ガックンする、と形容されることとなります」
「では、設定変更時になぜガックンするのか?」
「それは、設定変更すると、始動の位置を0ベースに戻すからです」
「手回し後のガックンも同様です」
「手回しされる前の状態に戻ろうとするから、ガックンするということになります」
「以上が、サミーのリールガックンの概要です」
「大丈夫でしょうか?わかりにくくないですか?」
「もしなにかご質問があれば、聞いてください」
「続いて、ユニバのリールはなぜガックンしないのかについて書きます」
「ユニバのリールが非ガックンなのは、なぜか?」
「上記のように、リールモータの性能が高くないからです」
「ユニバのリールは、ハイブリットモータではなく、回転数も速度も高くない、ステッピングモータを採用しています」
「速度を補うために、別途シャフトとギアを設けています」
「そのギアをかませていることによって、モータとギアの歯車には、多少の隙間が生じます」
「その隙間で、戻る動きの大きさの調整をします」
「ステッピングモータは、そもそも止まった位置からの調整を行いませんので、止まった位置から次の始動を開始します」
「上記の通り、別途ギアをかませていることでモータとギアには多少の隙間=遊び があるため、その遊びの許容範囲においては、モータの始動に影響を与えにくいということになります」
「なので、ユニバのリールはガックンしにくいのです」
「となると、手回しでもガックンしたらおかしいじゃないか、と思うのではないでしょうか?」
「これについては、手で回せば、それだけギアがモータのギアに干渉します」
「その結果、かみ合わせた分だけ、ガックンする可能性は出てきます」
「手回しで回せば、モータで回すより、回す力も干渉度も高くなるので」
「他メーカー機の場合ですと、ガックンする台としない台との差は、ハイブリットモータ採用の有無だと思います」
「お伝えした内容をまとめますと、ハイブリットモータのメリットは、それだけで回転数と速度が維持できることにあります」
「ただし、高価です」
「一方の、ステッピングモータのメリットは、安価であるということです」
「ただし、回転数と速度が高くないので、別途それを補うためのパーツが必要ということになります」
「最後に、ユニバとサミーと言えば、ジーグ絡みになってきますよね」
「ジーグ筐体では、ステッピングモータハイブリットモーターを正式採用しています」
※訂正:2019年9月10日22時22分
「なので、おそらくまどマギ叛逆あたりはガックンするはずです」
「5.9号機のハーデス冥王召喚もですね」
「ざっと、こんなところでいかがでしょうか?」
「分かりにくい、説明が不足している部分があれば、別途ご連絡くださいませ」
「以上です」
楽太郎
「詳細に、ありがとうございます」
「ご説明の内容で十分です<(_ _)>」
________
遣り取りの内容は、上記の通りです。
以上、今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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[記事情報]
2019年9月10日公開
[内容の一部を訂正]
2019年9月10日22時22分
「ジーグ筐体では、ステッピングモータを正式採用しています」
→ハイブリットモータの間違いでは?
ご本人から「ハイブリットモーターの誤り」との事でした。
ご指摘に感謝致します<(_ _)>
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アルゼ時代はガックンしてましたよね