今回は、遊技機取り扱いのバックヤード事情についての雑談です。
日遊協からの通知書面
先日、組合を通じて書面通知があった内容について、ふと思う事がありました。
まずは、その内容をご覧下さい↓
<日遊協からの通知書面>
この文中にある「規程の改正の趣旨」に関する「別紙1」が、こちらです↓
普通じゃない業界
かつてホールで元気に稼動していた遊技機が撤去されて、中古機取り扱い業者さん等の倉庫に保管されていたものが、再び販売業者/運送業者さんを経由してホールに戻って来るという過程において、何かしらの悪意が入り込む余地がある、という事は、過去記事で何度もお話ししました。
全容の解明には至りませんが、ゴッド凱旋、初代まどかマギカ、バジリスク絆、化物語といった人気機種は、ホールから一旦外されたものが悪意ある輩、大体はそういう組織でしょうが、彼らの手によって解析(分解、電波/電磁波/赤外線照射などの物理的なテスト、セット物への改造等も含む)されて、実際の営業現場にて不正な手法でメダル詐取される事に繋がるという事案も沢山あります。
こういった事案は、他の産業/業種では、あったとしてもごく一部の異常者が行う例外的な事という認識ですが、比べてみるとやはりぱちんこ業界は日々多額のお金が出入りする中でそういった悪意が介入しやすい業種なんだなと、改めて思った次第です。
私自身、20年もこの業界におりますと、そういう感覚も麻痺して来ており、今回の通知に最初に目を通した際には
「なるほどなー、暴力団とか、反社会的勢力が販社とかホールに潜り込んでちゃ、マズいよなー」
「実際、ホールスタッフが手引きしたり役職者が絡んだ不正なんかも、たまに耳にするからな…」
こういった程度の認識でしたが、「いやいや!そもそも、そういう介入の余地が大きい事自体が、業界として異常なんだ」と、改めてそう思いました。
6号機にも不正改造は行われるか?
これまでの、遊技機における不正事案のセオリーとしては、
- 本来的に、払い出し性能が高いスペック機
- 出っ放しの状況でも、一見して遊技のひとつの流れとして見なせる機種
- 流通量、設置台数が多い機種
- ハード面の脆弱性がある機種
こういったものが狙われやすいという傾向がありました。
それでは、今後、依存問題対策を旗印とした規則改正の絡みもあって
- 払い出し性能の低下
- 出っ放しという状況の軽減
こういった流れにある中で、敢えてリスクを冒してまで不正改造/不正行為に及ぶだけの価値がある機種がどれだけ出て来るのか、というのが、ひとつの問題にもなろうかと思います。
特に、純増枚数、短期出率というものは、打ち手だけではなく不正を働く輩にとっても重要なポイントと言えます。
なぜかと言えば、ごく短時間で抜き切って、バレる前に計数して退店したいという場面は、不正行為の最中には往々にしてよくあるからです。
まあ、どんなスペック機が主流であっても、いつの時代であっても、この業界には何かしらの不正はありましたので、残念ながら今後も完全にゼロという事にはならないでしょう。
釘調整こそ一番の「悪意」では?
もちろん、ゴト師や暴力団構成員、反社会的勢力がどうこうする以前に、「日々釘調整しているホール側の人間の、その感覚こそが異常であり、一番の悪意である」と指摘されれば、それもその通りではあります。
世間に対して、「それは、ホール企業経営/営業現場の運営にとっては死活問題だから」などと、必要悪的な事実をいくら弁明したところで、もうそれが通用する状況ではありません。
この釘調整(=検定型式の無承認変更)に関しては、数十年来当たり前のものとしてメーカー側もホール側も、或いは取り締まり行政側も暗黙の事項として半ば一緒になってやって来たものと言えます。
しかし、社会において、自分自身に関しては置いておくとして、他者に対しては徹底的なまでに法令順守/モラル遵守させたいという考え方が高まっている時代の流れについて行けずに、ホール側は完全に置いてけぼりを喰らった格好にも見えます。
警察庁は、改めて「くぎ曲げは違法行為」と明言し、メーカーは「我々は釘確認シートの通り製造/販売/納品しました」として、業界における旧来的な利益調整の仕組みからは大きく距離を取りました。
だからこその、パチンコ機における段階設定機能の復活、或いは全国的な非等価交換営業への移行とも言える訳ですが、本音を言えば伝統芸能的なものとして釘調整を残したいと考えるホール側/メーカー側の者がいかに多く居たとしても、もうその願いは叶わないでしょう。
ただし、そういった後ろめたい部分、悪徳的な事に関してはそれ自体が魅力を放つ場合もあり、実際このブログのお問い合わせフォームのご利用では、釘調整についてのかなり専門的なご質問が先月から今月にかけてだけ見ても全体の約1/7を占めています。
旧ブログからこちらの新ブログに移行して、そういったご質問を記事で採り上げたりする事は無く、「羽根物の釘と傾斜と可動役物の関係は?」といった具体的なお問い合わせ等に関しても、回答するかどうかも含めて、悩ましい日々を過ごしておる次第です。。。
そんなこんなで、単なる1通の通知書面ではありますが、色々と考えさせられるきっかけになりましたので、この機会にと雑談がてら諸々の事をお話しさせて頂きました。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。
「いかなる釘調整も違法であり、納品時の状態から0.01mmでも動かしたら営業停止(営業許可取消し)にするべきだ」、という方は、そっと押して下さい。
[記事公開]
2018年1月26日
Pingback: ぱちんこ業界に蔓延する「悪意」が業界の立場を危うくする | パチパチスロスロあんてな
釘調整は打ち手側にとっても打てる台かどうかを見極める重要な要素、それが無くなれば設定による調整に
なるんでしょうけど、そうなれば自分は恐ろしくて打てなくなる気がします。
今現在でもスロットで言えば設定1にもみたないような釘の台が殆どの現状ですから、近隣のホールは
全台最低設定で営業するのでしょうね。
山田太郎 さん
釘調整にマイナスだけでなくプラスがあるお店であれば、それを楽しみに通う客層も居ますからね。
まあ、こういった事をブログで書くと、どうしても許されないご時世になってしまい、運営者側としては困っておりますが。。。
どうせ全台設定1。(設定1が最低設定を指す事を前提として)
出したい店がそう思われない様に、確率差だけじゃなく確定要素がスロット以上に出現しやすく、尚且つ打ち手にも分かりやすい演出等があれば良いんですけどね。
どちらかというとパチンコユーザーの方が知識に乏しい方が多いので、ちょっとハマっただけで「設定1」と言われるだろうし。
初当たり1回に付き20%程度の確率で「設定●確定」くらい出して欲しいですw
なんにしても出したい時に出せる設定であってほしいです♪
半人前 さん
確率の考え方に関しては、辛く動いたら店のせい(悪い事してる?とか)、甘く動いたら自分の強運みたいな感じに捉えている客層も多いですからね。
何にしても、抽選状況が見えない訳ですから、ちょっとハマったら今後は低設定の印象を与えてしまい、その後の稼動にマイナス影響する可能性も完全には否定できませんよね。
最初は面倒なので通達の紙は読み飛ばしたのですが、よく読むと、反社会勢力の構成員を運営会社にいれないことと、ゴトやゴトを行う反社会勢力と、釘調整と、この3つは別の話だろうなとは思いました。
もちろん別な話であることは十分おわかりで、お書きになっているのでしょうけれども。
この、1と2の反社会勢力は、まったくとは言いませんが、あまり重ならないと思います。
1番目については、直接の構成員でなければ、配偶者や1親等であっても建前としては就職差別をしてはならないでしょうから、法律を厳格に守った場合、実効性のある排除は本来ならできないものであると個人的には考えます。
しかし、パチンコと縁の深い警察においては、家族や結婚相手が不都合な人物であるケースでもきっちり排除するので、なんと言いますか、就職差別をするならするという業界スタンスも、法的に不正ではあるが現実問題では必ずしも無しではないだろうと思います。
ただ、法的観点だけでなく、それをしようとするには多大なコストがかかるわけですから、警察とか一部の大企業にしかできないことでしょう。
私などは、パチンコはお金を扱う業種なのですから、こんなのこそ警察と協力して、たとえば未成年時の非行歴があれば採用しないということが秘密裏にあっても良いとは思いますが、憲法には違反するでしょうから、あくまで法令順守で考えますと難しいですね。
話を2番に変えまして、ゴトはもちろんゴト師が一番悪いのですし、そこはあまり議論にもならないでしょうけど、中古台がそもそもいけないということなんですね。
ユーザーからはちょっと前のよかった機種の再設置を望む声が多いですが、そういう問題があるわけですね。それに気づかせてくれたということには大きな意味がある記事だと思います。
法律やセキュリティをしっかり守るということは、もちろん業界側もですが、ユーザー、つまりだれにとっても欲望の我慢をしいられることがほとんどでしょう。それでもそれはやらなきゃいけないんだよ、と言う人が世の中には必要ですね。
デルソラー さん
近年では特に、ホールから撤去された遊技機に関しては、信用度に傷がついてしまうという場面はあります。
流通量が多い機種なら、その中に数十/数百台程度の「不正」(ゴト師側にとっては、自分たちに都合が良い)遊技機が紛れ込んでも、ホール営業上の被害が出たり遊技客の目の前で異常な挙動でも出ない限りは露見するまで期間を要する場合もありますし。
中古市場の存在は営業施策のバリエーションになり得るので有用なものであり、打ち手にとっても新機種以外の入替が要所で実施されて機種構成が変わるのは楽しい事だと思います。
しかし、ごく一部の悪意ある者のせいで、この信用が揺らぐのは残念でなりません。
取り締り行政側にとっては、やはり相変わらず放っておいてはいけない、自分たちでは遵法営業できない業種なんだという事にもなりますからね。
じゃあなにかのはずみ(不正改造等の事件が明るみになったとして)で前倒し認定を受けた旧基準機もやっぱりダメーになったりするのかな?
そうなったら釘調整していながらそのことを棚にあげ、まったく迷惑かけやがってどうしようもねえ糞ホール/メーカーだとか文句言うんだろうな
匿名 さん
検定機だろうが認定機だろうが、取り締まり行政側がダメだと言ったら、取り消しになった事例はありますし今後もあり得ますね。
パチも設定アリに戻せばいいんじゃ
1k/10の極悪調整とかを一般人は実際に回して見ないと解らない、依存症はそれでも打つって状況がやばい
匿名 さん
どんな制度も機能も、最終的には使う側の意識ですから、現状のような粗利ノルマをホール経営者が店舗に課すなら、パチンコの段階設定は毎日全台1になるでしょうね。
トキオとかは
メーカーから不正を行う者に対しては排除するという明確な意思を感じる事ができます。
スロットもそうであってほしいと思いますね
映画好き さん
近年の問題は、メーカーも管理し切れない中古流通市場ですね。
保管、運送、設置、どの段階でも、新機種の導入時には見られないような悪意が介入するリスクがありますので。