『業法制定へ、いまがラストチャンス』全文紹介

年頭にあたり、業界誌の記事をひとつ、全文書き起こして紹介します。

 

はじめに

時候の挨拶や年始にあたっての今年のブログ運営方針的な記事で幕を開ける事も出来ますが、このブログの読者の皆さんはどちらかと言えばそういった事よりも、あくまでもぱちんこ業界に関わる事情の方にご興味がある、問題意識を持っている方が多いと思っております。

 

なので、私としては、謹賀新年の雰囲気は無しにして、普段通り堅苦しい記事から2018年のブログ運営をスタートさせる事に致しました。

 

以下、

 

『週間アミューズメントジャパン』

第621号

 

2018年新春インタビュー

「私の提言」

渡邊洋一郎 

  • 弁護士(光和総合法律事務所 所属)
  • 余暇環境整備推進協議会 理事

 

こちらの記事を書き起こして、全文紹介致します。

 

それではご覧下さい。

201811

『業法制定へ いまがラストチャンス』

2017年の一連の規則改正で、法律家として一番気になったのは、警察庁が自らの意志に基づいて規則を作ったと見られることです。

 

これは法体系上、法の委任の範疇を越えています。

 

本来は風営適正化法という法律の委任に基づいた範囲で国家公安委員会が規則を作るのが筋です。

 

そして現在の風営適正化法が国家公安委員会に委任しているのは、「著しく射幸性をそそる遊技機の基準について」だけです。

 

ところが今回の場合は、風営適正化法じたいが変わったわけでもないのに、「ギャンブル等依存症対策」を理由に規則を改正してしまった。

 

警察庁が越権行為をしたという認識です。

 

私は、歴史的にさまざまな問題を抱えている業界をなんとかキチンとした形にしたいというホール経営者の方々から、その思いを託されて18年前から余暇進でお手伝いを始めました。

 

ではそれらをどう解決するか。

 

ご承知の通り、ぱちんこ営業は風営適正化法に基づいて行われています。

 

それは、ぱちんこが「一時の娯楽に供する賭け事」の範囲にとどまる限りは賭博罪にならないという、賭博罪の例外規定を根拠としているわけです。

 

当然、判例を含めて、風営適正化法の中で絶対にできないことが賞品の換金です。

 

これをやると賭博になってしまうからです。

 

では賭博はわが国で絶対にやれないかというと、法律に基づく賭博行為は許されているわけですね。

 

公営ギャンブルなどがそれです。

 

したがって、「ぱちんこに賭博性はあってもいい、一時の娯楽でなくてもいい」という法律を作れば、換金ができるわけです。

 

業界を本当にクリーンにするなら、賭博性のある遊技としてのぱちんこ業法を作って、その中で健全な遊技という視点を置きながら換金を認める。

 

そういう方向に再構築するべきというのが、私が考えている一番の健全化の方法です。

 

これまで法律のたたき台も作ってきましたが、それを具体化しようとしたときに、業界が本当にそれを望むのかという壁に突き当たりました。

 

政治や行政は業界側からの意思表示なしに動くことはありません。

 

実現のためには、業界がまとまる必要があったのです。

 

今回の規則改正を機に、もう我慢できない、ぜひそういう方向でやりたいという声が挙がって一致団結すれば、業法制定の可能性は非常に高くなると思います。

 

そういう声をぜひ挙げていただきたい。

 

自民党の「時代に適した風営法を求める議員連盟」は、私がぱちんこ業法の制定を求める陳情を契機として設立された経緯があります。

 

ギャンブルが社会的に認められるのは、どんな場合でも社会貢献とのバーターです。

 

社会貢献策として、この業界が世の中のために役立つということがわかってはじめて、議員の先生も動くわけです。

 

ギャンブルの歴史を見てみると、社会貢献の最たるものは税制への寄与です。

 

そこで私が提案したのが、お店で賞品を現金に換えた場合に、遊技客から地方税として「換金税」を1%いただいて、その税金を店舗が源泉徴収する方法でした。

 

その方法なら、いまでも年間2000億円ぐらいの税収が生まれます。

 

そういう提案を国会議員の先生方にお話ししたら、いまどきそんな恒常的な税収が生まれるのなら社会的に良いことだ、税調にも話をしようと、そういう話が議員の先生方から出てきました。

 

国会議員としてそういうことなら手伝えるとして、賛同してくれたわけです。

 

しかし、業界から未だに業法制定の要望書が出されていませんので、活動は前進していないのです。

 

今年はIR実施法案の国会での審議が予想されます。

 

いまが最大のチャンスです。

 

これまで民間事業者に賭博行為の主催を認めないというひとつの根拠があったわけですが、IR推進法ができて、ギャンブルは官でないと認めないという根拠が消えた。

 

であれば、もっと射幸性が低いぱちんこも民でできるという根拠ができたことになります。

 

これで業法はかなり作りやすくなりました。

 

今後カジノができて実際に営業が始まったときに、逆にカジノ側から法的にグレーなぱちんこはいかがなものかと指摘される可能性もあります。

 

したがって、なおさらIR実施法と同時にぱちんこ業法も通していく必要性があるのです。

 

でも、私がひとりで頑張ってできるものではありません。

 

業界のみなさんがまとまって、ぜひそういう方向でやろうとなれば、議員の先生も汗をかいてくれるし、警察庁も腰を上げてくれるでしょう。

 

私が作ったものはあくまでも私案です。

 

新しい法律を作る中で、大衆娯楽としてのぱちんこ・パチスロの範囲とはどの程度かという議論をすればいい。

 

業界の健全化のためには、いまの風営適正化法をいくらいじっても限界があります。

 

健全化して堂々と商売をしたいと願うホール経営者の方々もいらっしゃいます。

 

そのためにも業法を実現させたい。

 

私ももう75歳です。

 

いつまでこの問題に関われるかわかりません。

 

最後のチャンスでぜひ業法制定を実現させたいと思っています。

________

ここまでが、記事の全文です。
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「復興」は不可能

続きまして、以下で、旧ブログの過去記事からの一文を抜粋します。

↓ ↓ ↓

現在のパチンココーナーの状況に目を遣ると、過度に悲観的にいう訳でもなく冷静に見て「業界的には、もう”復興”はあり得ないな」、そう感じている業界人も多いものと推察します。

 

私自身に関しても、そのように思います。

 

もちろん、”復興”という言葉にどの程度の意味を持たせるかにもよりますが、それが地政学における失地回復、つまりある国が旧時代の最大版図の回復的な意味合いで使うのであれば、この業界には復興はあり得ないと言えます。

 

業界が隆盛を誇った時代とは、ファン人口も業界規模も関連法規も自主規制内容も、そして何より競合する余暇産業の規模など、全てが違い過ぎるからです。

 

それに、ユーザーの現況も加えて考察するのであれば、1960~70年当時よりも物価は上昇したのに、それに連れて可処分所得も上昇したのかと言えば、必ずしもそうとは言えないという事情も関わってくるでしょう。

 

また、”復興”に向けての手段的なもの、遊技動機というか射幸心を掻き立てられるだけのスペック機が出て来にくくなっていたり、広く一般に向けて分かりやすく告知/宣伝広告する事を制限されているから、それができないとも言え、機械産業であるこの業界にとっては、大きなマイナス要因と言えます。

 

なので、今後の業界としてできる事といえば、ある程度業況を回復させる事くらいと考えて良いでしょう。

 

そういった観点では、今の業界には、業況回復に向かって行くための新たな太陽というか、目標的なものが希求されていると言えるかと思います。

 

それが、一体何なのか?

________

【参考】2016年10月27日公開

『太陽の真ん中へ-大阪万博記念モニュメント「太陽の塔」内部公開に思う』

 

先んじて動くためのヒント

ここ数年、ぱちんこ業界としては取り締まり行政或いは実体のあるなしすら不明な「世論」というものから強く促され、動かされる形で変容し、今現在もそれは継続しています。

 

特に、法令順守という観点では、突っ込まれるたびにその脆さを露呈しているのが過去/現在における業界の姿と言えます。

 

私の釘の師匠は、業界を「曲がって生長した巨木」に例えて、定年退社して行きました。

 

では、私も含めた現役世代は、この妙な姿のまま業界を放置して良いのか、そもそも放置できるのか、それとも変えていくのか、変えるならばどのように変えるのか?

 

こういった「面倒な」事を、避けては通れない状況に追い込まれていると言えます。

 

今回紹介した、

 

『業法制定へ、いまがラストチャンス』

 

この記事は、それに対する業界側のアクションとしてのひとつの選択肢、目標を示しているようにも思えますが、読者の皆さんはどのようにお考えでしょうか?

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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[記事公開]

2017年1月1日

9 comments on “『業法制定へ、いまがラストチャンス』全文紹介

  1. Pingback: 【お知らせ】1月1日(月)新ブログ最新記事公開 | パチンコ屋の裏話 現役店長がこっそり更新

  2. Pingback: 『業法制定へ、いまがラストチャンス』全文紹介 | パチパチスロスロあんてな

  3. ゴンザレス

    たしかに法律による定義付けと規制をしっかりしなきゃならんですね。違法とされている釘調節をあえて明記することで調節可能な範囲を明確にしたり。

    ただカジノとして認めて貰いたいならキッチリ制限や対策もしなきゃならないのは当然。メーター設置による回転数の公表、設定漏洩に対する刑事罰、営業停止や営業禁止の厳格化。それこそ海外カジノ並に関係機関が監視カメラによる調査や毎日毎週チェックに来るような監視体制。

    長年、業界に関わってきた方なら、車内放置や借金問題等々、依存症問題についても分かっているはずなのに、若干軽視なさっているのも、一般国民かつ一般ユーザーである自分には印象が宜しくない。政治家ウケ経営者ウケはするかもしれませんが。

    ただ曖昧なままだと健全化も難しい。本当に本当に難しい問題ですね。

    あと、明けましておめでとうございます。今年も業界裏話を期待しておりますw

    Reply
  4. レネゲード

    ラストチャンス?
    チャンス?
    ご老体には申し訳ないが
    チャンスはありませんよ。
    2000億の税収?
    パチンコ業界が無ければ
    別の新たな業界が生まれ
    ギャンブルに捨てていた金を
    また新たな業界に落として
    1業界への集中的な税収入
    ではなく、全体経済の底上げ。
     
    もう、潰れてイオンにしたほうが
    もっと税収入は有るかも?
    無かったとしても広く手わたる
    税収入でしょう。

    パチンコ屋から始まる金は
    局部的で、所詮はあぶく銭の域を
    超えない

    Reply
  5. あまのじゃく

    いつも楽しく拝見させていただいております。今年も楽しみにしております。
    私はパチンコを学生時代から約10年楽しんでいる三十路ですが、率直にいってパチンコは時代遅れの娯楽だと感じるようになりました。娯楽の多様化で休暇には色々なことを楽しめるようになった今、タバコ臭くなりながら数万円のギャンブルをしてイライラしながら過ごす休暇に魅力を感じなくなってきました。個人的にヒキが悪く、いい思いができていないことも原因ですが……(笑)
    ここ数年はホールに足を運ぶことがめっきり減りました。だって他のことを過ごした方が楽しいし、イライラしないし、積み重ねができるし。私と同じ考えで離れていくユーザーは少なくないんじゃないでしょうかね……
    しかし、それでも時々会う学生時代の友達と低貸しで一緒にうってワイワイすると他にはない楽しさがあり、パチンコが近くにあるのも悪くないな、とも感じます。
    本題からそれてしまったかもしれませんが、パチンコにしかない楽しさをもっと手軽で身近に感じられるようになったらいいなあ、と感じています。
    今後の業界を、少し遠いところから見ながら応援させていただきます。

    Reply
  6. 匿名

    あけましておめでとうございます。
    業界の将来を考えている方だとこのようなご意見が出るんですね。
    ただ、メーカー・お店のいずれも金儲けしか考えていないので、残念ながら推進されることはないでしょう。
    前の方が書かれているように既に娯楽ではなく苦痛を生み出すだけのものなので。
    これならゲームセンターでお金を使ったほうがはるかに楽しい思いができますね。
    他にも娯楽がたくさんあるので、娯楽産業の看板を下ろしてひっそりと消えていくほうが世のためではないかと思います。

    Reply
  7. 通りすがりの名無しさん

    ざっと記事を読ませていただいて、楽太郎さんが75歳なのかと勘違いしてしまいました。今年一番びっくりしました

    私見ではありますが、パチンコ業界におかれましては、まだまだ底を伺う状況になると思います。ただし、2020年を超えて不況に到達したとき、もう一度業界的に息を吹き返すタイミングがあるかもしれませんね
    しかし、2004年~2006年や2011年近辺とは異なる様相を呈するかと。その時までご健勝くださり、ブログを更新していただければ、幸甚に

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  8. アルベロベッロ

    残念ながらパチンコ業界はどう足掻いても復活することはないですよ。
    娯楽として死ぬかギャンブルとして死ぬか
    いずれにせよ死を待つのみ

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