今回は、遊技機の運用に関するご質問にお応えします。
幸運鯨 さんからのご質問
はじめまして。
いつもブログ、twitterを楽しませていただいております。
沢山聞いてみたいことがあるのですが、以前から気になっていたことを1つ質問させてください。
この質問をしようと思った切っ掛けは、最近出た某メーカーの1種2種混合機(機種名は専業の方にご迷惑になるかもしれないので伏せます)を打っていた時のことです。
知り合いの専業の方から
「もうダメでしょ?」
と話しかけられて、状況を話したら、
「2日位打ってたからね、仕方ないね。」
みたいな話になり、簡単にその台の仕組みとある程度の打つ価値を教えて貰えました。
(注:専業の方が2日間以上張り付いて大きめの利益を得たので、お店側が「対策」して運用レベルが下がった、という会話内容だと判断しました)
後日、twitterでとある大御所ライターさんがこの台を店が誤った運用(調整)をしていることについて触れていることを目にして、ふと疑問に思ったのですが
メーカーや販社(問屋)は、商品である台の遊技性や出玉の出し方、遊技客からの取り方(専門用語わからないので、こう書かせてください)、直接的に言ってしまえば利益調整の方法、即ち「商品の使い方」や「利益の予想」を説明しないのでしょうか。
それともメーカーや販社も釘調整、寝かせ調整なんて行われていないというお題目を並べて、商品だけ売っているのでしょうか。
似たような質問が過去にもあったかも知れませんが、どうかご教授ください。
よろしくお願いいたします。
________
ここまでが、幸運鯨 さんからのご質問です。
(全文そのままです)
それでは、回答です。
回答
結論
新機種のセールス時において、メーカー営業マンは、ホール側の遊技機選定担当者に対して
利益調整の方法、即ち「商品の使い方」や「利益の予想」を説明しないのか?
こちらのご質問に対しては、パチンコ機の「釘調整による利益調整の方法」や「営業数字のシミュレート」についてのご質問であると解釈して、回答して参ります。
結論のポイントとしては、3点挙げられます。
①質疑応答の精度
現在のメーカー営業マンは、15年ほど前までのように、釘調整の度合い別に営業数値をシミュレートした仕様書を紙資料として渡す事などができません。
[参考]メーカー側が、釘調整を前提としたセールスをしていた当時のシミュレート資料(過去記事にて既出)↓
なので、説明は全て資料を提示しながら口頭で行われ、ホール側は必要に応じてメモを控えたり質問する形になります。
納品ゲージにおけるシミュレート値や、等価分岐数値などは、ほぼ例外なく事前に説明しますが、例えば
「スタートをこの程度落とした場合に、どの程度の営業数字になるか?」
といった個別の運用上の質問に対しては、メーカー側は回答しない場合も多いと言えます。
また、回答するにしても、ユーザーがイメージするような細かい取り扱い説明のようなものではないかも知れません。
つまり、あくまでも、
「釘調整については、建前上、我々は一切関知しませんが、”うまい具合に運用して下さい”」
「そういった営業上のシミュレート等は、ホール側でやって下さい」
というのが、メーカー側のスタンスです。
また、セールス時の質疑応答の精度が低い遊技機選定者の場合は、スペックや運用イメージを営業マンとしっかり構築できていない状態で買ってしまいます。
その場合は、設置後に、自身が思っていた営業数字と実際のパフォーマンスとの差異が大きい場合に、営業マンと
「言った、言わない」
で揉める、という事もあったりします。
ホール側が、営業目線で必要情報をしっかりと質問しないと、説明されないデータもあります。
なので、
「遊技機の高額化で、遣り繰り上とても苦労している…」
という認識のホールであるなら尚更、その価格で購入するに見合うだけの情報を引き出して、ある程度納得感や目的を持って契約するのが肝要である、という事です。
しかし、全ての遊技機選定者が、そこまで突っ込んだ遣り取りをしているのかと言えば、必ずしもそうではない、というのが実情かも知れません。
②経験/技術的な問題
メーカー営業マンが、担当ホールで釘調整のお手伝いをしたり、具体的な運用の手引きをしていたのは、エリア差はありますが、概ね2005年くらいまでであると言えます。
それ以後は、メーカー営業マンであっても営業用の釘調整をした事が無い者も多いので、ホール側からかなり突っ込んだ質問をされても、釘調整の技術的な事までは、そもそも回答する事ができない場合がほとんどです。
世代で言うと、1980年代以降の生まれのマーカー営業マンは、釘調整の経験が無いか、営業上の運用アドバイスができる程の能力が無い者が多いという事になります。
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③設計/製造上の不測の事態
上記②に関して、現在の遊技機は、役物抽選機を除いて、運用において高度な釘調整技術等の必要が無いものが大半であると言えます。
よって、メーカー側の者の中には、仔細に渡っての運用の手引き自体が、必要が無いと認識している者も多いでしょう。
実際、セールス時に営業マンがホールに対してアナウンスする内容は、開発/営業部署から伝達された営業資料に、その大部分を依存しています。
なので、営業マンの観点では、営業資料にある数値をしっかりと伝えさえすれば、機種の運用については事足りると判断している、という事になります。
ここで1つ、問題があります。
それは、開発/営業部署から伝達されたその数値が、実際のホール現場における営業数値と、大きく異なっていた場合にどうするか?
という事です。
従来は、仮にその差異が極大であっても、釘調整によって、店側が利益を残しつつ運用する事が十分に可能でした。
しかし、現行制度では、無調整或いは釘確認シートの範囲内での運用が求められています。
なので、差異が大きい場合に「工業製品としてのクオリティ」や「メーカーとしてのセールス時のアナウンス姿勢や精度」が問題視されるように変わって来たと言えます。
・・・ご質問に対して、3つのポイントを挙げて回答すると、ざっとこんな感じになります。
お断り
最後になりますが、この記事は、
「メーカーや販社も釘調整、寝かせ調整なんて行われていないというお題目を並べて、商品だけ売っているのでしょうか」
この問い掛けにリアルにお応えするべく、回答して参りました。
なので、釘調整(無承認変更=法令違反)を推奨したり、指南したり、礼賛しようという意図は、私にはありません。
以上、十分な回答になったかは分かりませんが、今回はこれくらいにしておこうかと思います。
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[記事情報]
2019年1月12日公開
この質問とは関係ありませんが、一種二種混合機で思い出しましたけどクジラッキーってそんなに甘かったんですかね
データあったら見たいなあチラッチラッw(くれくれ乞食)
Oh、ジャパニーズ建前カルチャー!
しかし売る方も遊技としてのパチンコに興味がなく、買う方も遊技としてのパチンコに興味がない。
それで「もっと遊技客を増やしたい!」と思ってるんだから、そりゃ無理難題ってもんですわ(´・ω・)
スキーに全く興味が無い人間がスキー用具作って、スキー用具売って、スキー場を運営してるようなもの。遊技としては致命的に面白くなくなりそう(笑)
ゴンザレスさん
スキーが好きすぎるオーナーは、スキー場の雪質やコースレイアウトだけにこだわり運営する
スキーにあまり興味のないオーナーは、その他のサービス「託児所や見晴らしの良いレストランなど」にも力を入れる
ちょと大げさ(偏見)な例えですけど、好きすぎるのも一長一短かなと思ってます
ゲームセンターなんてもう新参は遊べないぐらい玄人のみの世界になってる