「IRにまつわる動向」2019年12月マンスリー・レポート【寄稿】

今回は、寄稿して頂きました。

 

寄稿者紹介

ひら・ たいら氏

プロフィール画像「ひら・たいら」氏

<プロフィール>

長年にわたり、ぱちんこ業界に携わっている業界人。

特に、ぱちんこ業界における依存問題対策、ギャンブリング障害、IR関連の動き等においては専門的な知見を持つ、楽太郎にとっての重要な情報提供者の一人。

 

寄稿

『マンスリー・レポート「IRにまつわる動向」2019年12月』

 

連日、新聞1面のトップニュースとなっている「IR汚職」疑惑。

 

まだどこか馴染みの薄かった印象の「IR」という言葉も、この報道によって一気に拡散したように感じています。

 

本稿でも、IR(「カジノを含む統合型リゾート」、政策用語としては「特定複合観光施設区域」)に関する動向をマンスリー・レポート(月次報告)としてまとめていきたいと思います。

 

3回目となる今回は、2019年12月期が対象となります。

 

まずは、「IR汚職」の捜査対象者の広がりについて述べ、次に政策化で先行する大阪府・大阪市の動向を確認します。

 

最後に、大阪以外の各自治体の動向を押さえておきます。

 

捜査対象が拡大する「IR汚職」疑惑

報道によれば、東京地検特捜部は12月7日から8日にかけて、自民党の秋元司衆院議員(東京15区)の元政策秘書と元私設秘書の自宅なども家宅捜索し、元秘書から任意で事情を聴取しました。

 

容疑は、日本への参入を目指していた中国企業「500ドットコム/500ドットコムジャパン」が便宜を図る見返りとして秋元議員らに現金を贈賄し、議員らは現金を受け取った、というものです。

 

当初の容疑は、500ドットコムの日本法人元役員らが国外から現金を申告せずに国内へと持ち込んだ、という外為法違反容疑でした。

 

捜査の焦点が外為法違反容疑から国会議員への贈収賄容疑になったことで、「IR汚職」と報道されるようになりました。

 

特捜部は12月31日になって、500ドットコムから「国会議員5人に100万円前後の現金を配った」との供述を得られたとして、任意の事情聴取の対象を、自民党の岩屋毅前防衛相(大分3区)、宮崎政久法務政務官(比例九州)、中村裕之前文部科学政務官(北海道4区)、船橋利実氏(比例北海道)、日本維新の会の下地幹郎元郵政民営化担当相(比例九州)へと拡大させています。

 

現時点では捜査中の事案であり「疑惑」の段階にとどまっていますが、今後の捜査が注目されます。

 

また、通常国会が今月20日に召集される見込みとなっています。

 

野党はこの事案について与党を厳しく追及していく方針としています。

 

国会の動向にも注目です。

 

この「IR汚職」疑惑は、パチンコホール企業であるガイアが12月26日に特捜部によって捜査されるという展開を見せています。

 

さらに今後、国会議員から大阪のIR政策、そして、いわゆる「依存業界」(ギャンブル等依存症対策に従事する関係者)へと飛び火・拡大していく可能性を秘めています。

 

国際カジノ研究所所長の木曽崇氏は、ブログ記事で次のように述べています。

 

『500ドットコム、NPO法人を通じて大阪IR構想に関与した可能性』

(「カジノ合法化に関する100の質問」12月30日up)

 

また、ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子氏は、次のように問題点を指摘します。

 

『大阪IRに飛び火したカジノ疑獄の問題点』

(「アゴラ」12月31日up)

 

日本の法は原則的に賭博を禁止しています。

 

公営競技に並んでカジノは特例的に賭博行為を許されることになりますが、その事業者や関係者には公平性や遵法性、さらには社会的な責任を求められることになります。

 

もし関係者にこれまでの過程で何らかの違法性や不正があったならば、捜査機関によって明白にされ、有罪となったならば罪状に応じて処罰されるべきであることは論をまちません。

 

大阪は募集要項を公表

大阪府・大阪市は11月21日、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備 実施方針(案)」を公表しました。

 

さらに12月24日、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業 募集要項」を公表しました。

 

本年、2020年の6月頃には、大阪府・市と基本協定を締結する事業者を決定する予定としています。

 

「募集要項」公表に先立つ12月12日には、事業者を審査する選定委員会の人事を公表しています。

 

一方、国は、地方自治体の「実施方針」の前提となる「特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針」(「基本方針」)を2020年1月召集予定の通常国会で採決する予定としています。

 

大阪は相変わらず、国に先行するスピード感で、IR政策の構築を進めています。

 

大阪の「実施方針」で注目されるのは、その開業予定時期です。

 

「実施方針」には、「2025 年に開催が予定されている 2025 年日本国際博覧会前の開業をめざしつつ」としながらも、「2026 年度末までの全部開業を前提としている限りにおいて、開業時期に関する提案内容については評価の対象とはしない」、すなわち万博前の開業を前提としていない、としている点です(「実施方針」p.21)。

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大阪以外の自治体の動向

最後に、2019年12月における大阪以外の自治体の動向についても確認しておきます。

 

IR誘致の意向を正式に公表している自治体では、長崎県は12月12日に県議会総務委員会においてIR政策の進捗についての報告を行いました。

 

長崎県は2019年10月より、「(仮称)九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業」の事業コンセプト(RFC)を募集していましたが、議会での報告までに5者が申請し、そのうち3者が登録したということです。

 

長崎県へのRFCの提出期限は、2020年1月10日が予定されています。

 

首都圏では、公式に誘致を表明した横浜市以外に、オリンピック・パラリンピックと知事選挙を控える東京都の動向が注目されており、また千葉市が誘致に乗り出す可能性が取り沙汰されています。

 

千葉市の熊谷俊人市長は12月17日、誘致の是非について本年度内、すなわち2020年3月末までに判断するという意向を示しています。

 

常滑市にある中部国際空港(セントレア)でのIRを構想する愛知県は12月19日、「特定複合観光施設区域整備の事業可能性の検討に係る意見募集」を開始しました。

 

意見募集の期間は、2020年3月末までです。

 

北九州市の北橋健治市長は12月12日の記者会見で、IR誘致について2020年1月中にも基本姿勢をまとめ、市議会での議決を経て、同年3月末までに方針を固めたい意向を表明しました。

 

市は事業者に対して1月10日までの提出期限で、開発計画などについての「質問票」を送付したことを明らかにしています。

 

北九州市が正式にIR誘致の方針を決定すれば、九州北部で長崎県と競合することになり、激しい誘致レースが展開されることになると予想されます。

________

寄稿文は、上記の通りです。

 

 

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[記事情報]

2020年1月■日公開

2 comments on “「IRにまつわる動向」2019年12月マンスリー・レポート【寄稿】

  1. のんべえ

    さてさて、想定される市場規模から考えると今回の件は
    金額はわずか100万、具体的な相手名もすぐ自白ということで

    まるで利権から外された人たちが適当な中国企業をスケープゴートにして
    まずは一刺しという態にも見えるわけで。

    さらに何故ガイアなのか、そういやガイアの社長連中には
    ピントのずれた理想論を喧伝する人が居たように記憶しているので、
    言ってはいけない誰かに喧伝しちゃったのかな?
    とか妄想が捗ってたまりませんな(笑)

    Reply
  2. 匿名

    外資獲得のための観光施策なのでしょうから外国企業の参入も致し方ないとは思いますが、特にコンプライアンスが強く求められる公認ギャンブル場に中国企業はヤバイでしょ

    Reply

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