今回は、寄稿して頂きました。
Contents
寄稿者紹介
チャッキー 氏
<プロフィール>
ホールも含めた、多業種の営業コンサルタント。
ぱちんこ業界を冷静に観察/分析しつつ、基本的には厳しいスタンスで臨む論客。
寄稿文
『釘絞めて店閉まる/悲劇は続くよ何処までも』
はいでぃほー、チャッキーです。
パチンコには(今のところ)釘と釘調整がつきもの。
大昔は、釘調整は大っぴらで当たり前で、羽根物やら一発台が陽の目を見ていた。
[画像参照]「玉の動きも演出!」(管理人:アポロン氏)
たとえば、この奥村遊機のキューピットのように、普通機なんだけど釘調整によって一発台仕様にして運用されていた台もあった。
まだ入店可能な年齢になってなかったけど、この台のおかげで釘を見る事と、打ちたい状態の台が無ければ打たないで帰るという我慢や退く事を覚えたわ(笑)
この頃のパチンコは2.5円交換が主流で、換金ギャップの余裕のおかげで羽根物にしても、釘師によっては役物に入りやすいけど役物始動口入賞は辛めとか、色々な「個性」を発揮できた時代だった。
時が過ぎて平成も数年が経った頃、パチンコも等価(高価)交換が当たり前になった。
当初店側は、「周りの釘を辛めにしてでも、少しでもヘソ入賞を多くする!」という主張があったが、後に「等価(高価)交換なんだから回らなくて当たり前」と開き直るようになり、「新台費用がかかるから回らなくて当たり前」、新装開店ですら「新台という価値を提供してるんだから、回らなくて当たり前」と開き直るようになった。
新装開店と言えば、大昔は一機種を1島2島買うのは当たり前で、1列ですら貧乏くさいと言われ、半列なんて島が汚くなると怒られたが、俺みたいな腐れコンサルタントが少台数多機種路線を、メーカーや販社を敵に回して推し進めた結果、一回の入れ替えで試案する機種の数が増え、釘調整の負担を増やしてしまった。
また、かつては台数に拘わらずに店休をとり、半日や一日かけて試し打ちをしながら盤面を創っていたが、いつしか営業を早めに終え、または営業中に該当するコーナーだけ閉めて入れ替え作業するのが当たり前になり、遊技機設置後~朝の警察検査に間に合わせるための突貫工事のような調整作業だらけになった。
- スタートは千円で15切れ!
- ベースは30切れ!
- 余剰ベースは2まで!
- 確変ベースは80切れ!
- アタッカーはフルオープンで1個2個は取り零させろ!
そんな大号令も当たり前。
機種特性や遊技機の売りなんて知ったこっちゃない。
出玉消化スピードが売りの牙狼のスルーを殺すといった愚行も散見された。
もう数値の想定なんて二の次で、釘を閉めろ閉めろの大合唱で行き当たり場当たりの調整をし、新装開店の来店客をテスターのように扱う店ばかりになった。
もちろん、事前に搬入して、釘調整テストして盤面をしっかり組み立てて入れ替えに挑み新装開店を迎える店もあるが、俺が世話になった弱小店は漏れなく、新台の数値は出たとこ勝負だった。
当然、客飛びも通路化も早いし短命化するが、機械が悪い、入れ替えすれば客は戻るという狂った宗教に嵌る店は後を絶たない。
釘調整は、建前ではアウトである。
だが、そんな事を言ってたら利益は出ない。
だから釘調整(釘曲げ)は、店の生活防衛手段として暗黙の了解として行われてきた。
ところがある日、「ホールの調整と納品釘と展示会の調整と諸元表、違うくね?」と問題になり、釘調整が問題視されてしまった。
そこで、「メーカーはちゃんと検査して出荷してますよ、ホールが釘曲げしてるんですよ」と言い逃れする・・・いや、責任を明確化する為=メーカーのアリバイ作りのアイテムとして登場したのが釘チェックシートである。
一時は、諸元表と納品機の構成が違う!釘調整は禁止しろ!という声があったが、このチェックシートのお陰で警察も「まぁ、この辺にしといたらぁ」「ちゃんとしぃやぁ」とお目こぼししてくれる事となり、少し風が和らいだ・・・にも拘わらず、利益の過剰要求や、「昔はもっと稼げてた」という懐古主義のオーナーによって、その建前を無視して狂った調整をする店は後を絶たない。
中には、規制に負けない!警察権力に負けない俺かっけぇ、という妙な対抗意識で釘チェックシートを無視する店もあるから迷惑な話だ。
言うまでもなくパチ屋は警察の管轄下にある許可営業であり、彼ら「お上」の設定した建前とお目こぼしで成り立っている。
にも拘わらず、こうした「法律や警察より俺が上」と言わんばかりのアホ経営者や偉い人が目立つと、規制強化や封入式投入の前倒しなどの手痛いしっぺ返しを食らいかねない。
コイツらが釘を(過剰に)絞めて客を飛ばして店を閉める羽目になり、自分の首を絞めるのはいいが、それでとばっちりを食うのは真面目に運営してる店である。
今、ネットで「ぱちんこ 釘 酷い」などで検索すると、度を越えた「死調整」を施されたパチンコ台の写真がゴロゴロ出てくる。
こんな釘していながら、何故にウチには客がいないんだと宣う腐れオーナーがわらわらいるんだよ、ぱちんこ業界。
遊技する者よ、そんな頭上に死兆星輝く店なんかは、見捨てる勇気を持て。
打てそうにないと思ったら打たないで戦場を変えるか帰る気力を持て。
<オマケ>
さて、最後に釘調整の涙ぐましい努力の例を。
通常、我々が目にするのは①のような調整である。
ところが、大昔、釘調整指南を生業にしている連中が、とある理論を編み出した。
①のように調整すると、玉の軌道が盤面寄りかガラス寄りかで、玉を迎える釘幅が違うじゃないか!
②のように、どこを飛ぶ玉も同じ間隔で迎えるべきである!
・・・という理屈を元に、右を真っすぐ、左はペンチで曲げるというスタイルである。
そして、釘間デジタル測定器と、釘幅や結果データを打ち込む管理コンピューターを高額で売る。
いい商売である。
だが不思議な事に、俺の知っている範囲でこれを導入したのは、客がろくに居ない店ばかり(笑)
こんなチマチマした作業で仕事した気になっても遊技客を見て営業を工夫しないもんだから、客が増えないのよね。
そして、釘チェックシート対策で最近目にするようになったのが③のように、釘頭は釘チェックシートに準拠しながら、釘の真ん中を絞る(開ける場合もあるだろう)スタイルだ。
釘チェックシートが「釘の頭の位置」しか見ないのを利用したわけだ。
最近は盤面がアクリル素材で硬くなり、ハンマーでの調整が難しくなった影響でペンチや調整ドライバーを使う調整者を散見するが、そのお陰で釘表面の傷や光の反射で、こうした調整が分かりやすくなってきた。
なので自分が調整する時は、釘の棒にも頭にも傷をつけないように注意を払っている。
釘頭を叩く際はゴム板を釘頭に添えて叩くし、曲げる際には釘をゴム板で挟み、その上からペンチで曲げる。
細かい事が気になるのが俺の悪い癖(嘘)
では、また次の機会に会いましょう。
はいでぃほー!
________
寄稿文は、上記の通りです。
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[記事情報]
2020年1月23日公開
3が最近出てきたような書き方ですが、
昔の羽根物や一発台のダマシ釘で良く見た光景ですよ?
3の逆パターン(中央が広くなっている)のもありますね。
これと寝かせの調整を併用されると、
ぱっと見ただけでは開けかどうかわからんです。
逆に2は見た記憶無いなあ…
まあパチは随分長い事まともに打ってないけど。
チャッキー)
コメありがとうございます。
そうですね、復活ですね。
こんな釘を叩ける人がまた現場に出てきたのか、昔とった杵柄か不明ですが、ともかく「復活」を目にするようになりました。
設定が認められてるんだから釘調整は無くして欲しいですねー
設定が認められていても設定無しをリリースする位だから無理な話なのかな。
保通の問題もあるんだろうけども。
風適法に真鍮のビッカーズ硬度とかがあるけど、いっそステンレスしか認めないとか硬度を上げるとか。。。
もしくはアクリル釘w ・・・あかんな焼かれるわ、多分www
チャッキー)
本来は、その為の設定付きパチンコなんですがね。
是が非でも、一円でも多く搾りたい店だらけですからね。
釘締めて自分の首が絞まるのも自覚無く。
等価店が多い神奈川県はほんとに死調整されている釘ばかりです。
客をナメてるとしか思えない調整ばかり・・・。
どうやったら淘汰できるんだろう
チャッキー)
こりゃ妥協できないくらい酷いと思ったら打たない事です。
そうすると、利益が薄くなって、利益の為に益々釘を絞めて、お客が飛んで店が飛びます。
糞店に金(餌)を与えなければ潰れます。
打たないで帰る勇気が大事。