「IRにまつわる動向」2019年10月マンスリー・レポート【寄稿】

今回は、寄稿して頂きました。

 

寄稿者紹介

ひら・ たいら氏

ひら たいら氏

<プロフィール>

長年にわたり、ぱちんこ業界に携わっている業界人。

特に、ぱちんこ業界における依存問題対策、ギャンブリング障害、IR関連の動き等においては専門的な知見を持つ、楽太郎にとっての重要な情報提供者の一人。

 

寄稿

『マンスリー・レポート「IRにまつわる動向」2019年10月』

 

「カジノを含む統合型リゾート(IR)」を日本につくるための動きが、政府、国会、地方自治体などの、あらゆるレベルで進んでいます。

 

今後、私は、本稿でお伝えしようとしている本年の10月期より、月に一度のペースで、その月にあったIRにまつわる動きについて、ネット上に公表された行政の資料や新聞記事等を紹介するレポートを寄稿させていただきたいと思っています。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

国政レベルのロードマップを確認

今回は初回ですので、IRをつくろうとする動きがこの10月期までに全体のロードマップ(工程)のなかでどのあたりまで進捗したのか、位置付けてみたいと思います。

 

まず、政府(中央政府)、そして国会といった国政レベルの進捗からです。

 

本年9月4日、IRに関する制度設計において、「特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針(案)」(以下、「基本方針」)に関する意見募集が行われました。

 

パブリックコメント(パブコメ)の募集です。

 

パブコメの募集は、10月3日に、すでに締め切られています。

 

「基本方針」案の内容は、こちらで公開されています。

※リンク先情報:「e-Govウェブサイト」

 

IR制度化のロードマップでは、現在開催中の臨時国会(与党の方針では会期は12月9日まで)において、「カジノ管理委員会」の人事案が承認され、来年1月7日に設立される予定となっています。

 

ただ、「来年1月7日」というスケジュール通りに設立されるためには、今の臨時国会で人事案が承認されておく必要があります。

※11月13日付で人事案についての報道あり(文末に追記)

 

「カジノ管理委員会」の設置後に、「基本方針」は策定されることになります。

 

「カジノ管理委員会」は、内閣府の外局として設置され、カジノ事業者の監督と「ギャンブル依存症(あるいは、ギャンブル等依存症)」に関する公共政策を所管します。

 

ぱちんこ業界にとって「カジノ管理委員会」の動向は、カジノの依存問題にまつわる政策を所管することになるため、非常に重要であると考えます。

 

というのも、カジノの依存問題対策などの政策は、ぱちんこ行政に影響することになる可能性が高いと考えるためです。

 

「基本方針」が正式に策定されれば、IRを誘致しようとする自治体は、「基本方針」に基づいて、具体的な政策方針である「実施方針」を策定します。

 

「実施方針」の策定後に自治体は、IR事業者の公募と選定を行い、「区域整備計画」を策定し、議会による議決を経て、国に申請を行います。

 

国は、自治体による申請を受けて、最大3カ所のIR設置区域の選定を行います。

 

以上のように、IR設置までの政策的なロードマップはすでに固まっていますので、折に触れてこれを参照すれば、IRの設置に向けた政策が今どのあたりまですすんでいるのか、その進捗を確かめることができると考えています。

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横浜市がIR誘致に向けた政策を本格化

では、IRの誘致に向けた地方自治体の動きを確認しましょう。

 

8月22日、横浜市の林文子市長は、市にIRを誘致することを正式に表明しました。

 

市長はそれまで、横浜市へのIR誘致の判断については「白紙」であるとしていましたが、8月の正式表明によって、市と事業者の動きが活発になりました。

 

この10月に入ってからの市の動きを見ていると、「いよいよ本格的に動き出した」という印象を受けます。

 

横浜市は10月16日、事業者に対して、IRのコンセプトの募集を開始しました。

 

IRの予定地は、中区の山下ふ頭で公式に確定されました。

 

コンセプトの募集要項は、こちらで公表されています。

※リンク先情報:「横浜市HP」

 

横浜市はまた、同月11日、「IRの全体像や、なぜ必要か」を周知するための「市民説明会」を12月中に市内の6区で行うことを明らかにしています。

※リンク先情報:「横浜市HP」

 

さらに、林市長は同月30日、定例会見で「IR推進室」を「(IRの)実現に向けてしっかりした対策をつくるために立ち上げた」と話しました。

※リンク先情報:「日本経済新聞社」電子版

 

市の動きを受けて横浜商工会議所は24日、IRの横浜誘致に向けた推進団体を11月6日に立ち上げると発表しました。

 

この団体、「IR横浜推進協議会(仮称)」は、予定通り11月6日に設立されています。

※リンク先情報:「日本経済新聞社」電子版

 

また、横浜市によるIR誘致の正式表明によって、これまで大阪への進出を表明していたIR事業者のいくつかは、大阪から横浜への「乗り換え」を表明しています。

 

IR誘致の動きではこれまで、大阪の動きが注目され、報道されることも多かったのですが、横浜市の表明によって「潮目が変わった」という記事も出ています。

※参考:木曽 崇氏のブログ「カジノ合法化に関する100の質問」

『続・大阪夢洲カジノ構想の悲劇』

 

日本国内で認定されることになるIRは、合計3カ所です。

 

林市長が正式に誘致を表明したことによって、首都圏にある横浜市は、その3カ所に入る有力候補となりました。

 

そして、先行してこれまでに着々と準備をすすめてきた大阪が、依然としてもうひとつの有力候補です。

 

では、3カ所目の有力候補は、どこになるのでしょうか。

 

本稿は、すでに長くなりました。

 

次回以降で、東京や、北海道・苫小牧、和歌山、長崎・佐世保といった地方の動きについても、詳しく見ていきたいと思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

[追記]本稿脱稿後の11月13日、「カジノ管理委員会」の国会同意人事案が臨時国会で人事案の了承を得るため、衆参両院の議院運営委員会理事会に提示されました。

________

寄稿文は、上記の通りです。

 

 

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※コメントへの回答の有無等は、全て寄稿者ご本人に一任してあります。

 

 

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[記事情報]

2019年11月16日公開

2 comments on “「IRにまつわる動向」2019年10月マンスリー・レポート【寄稿】

  1. のんべえ

    委員長と委員4人。

    職業も地域もバラバラに見えますが
    さてさて、誰が何所と繋がっているんでしょうね。

    これからの展開が楽しみです(笑)

    Reply
  2. ゴンザレス

    こりゃ、素敵な企画ですね。

    日本のカジノ研究の第一人者(というか唯一?)な木曽さんがブログをやっていますが、他に「日本カジノ関係を、中立な立場で情報を定期的にまとめてくれる」ようなサイトや企画が増えるのは、面白くて嬉しい。是非ともお願いします。

    「カジノ管理委員会」が出来るとしたら、それは依存症対策やら汚職や不正行為(情報漏れやらディーラーの不正等)といったことへの対策も出てくると思います、例えば両罰規定等の具体的な罰則。そうなると「他のギャンブル等は?」という考えが出ても、おかしくはない。

    中央競馬は関係者は買えず、情報漏れ対策も取っている。そうなると「ではパチンコパチスロ業界は?」となる。まさかすぐに両罰規定とはならんでしょうが、「スロットとカラダで稼ごうや!」のようにあからさまな不正が発覚した場合、今まで通りで済むのか済まないのか(あとイベント示唆も)。

    何がどう影響するか分からないから、ピ●ゴラスイッチのようで見ていて楽しい。業界関係者の皆様からすれば恐怖でしょうが(´・ω・)

    とりあえず「ややこしくなるから」と賛成派反対派双方ともに見てみぬふりで終わる可能性もおおいにありますが、族議員候補が大敗してるのが痛い。

    Reply

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