大衆娯楽の王座からの転落-ぱちんこ業界の10年後を真剣に考えていたのは、ホール経営者ではなく警察庁

今回は、ちょっと古めの行政講話についてお話ししたいと思います。

 

はじめに

これから紹介させて頂くのは、前回の規則改正(2004年)から半年が経過した時点での行政講話です。

 

なので、私たちがこれから少し先、来年2018年2月1日に規則改正を迎える訳ですが、その後どのようにそれを解釈しながら営業したり機種開発/販売したり、或いは遊技していくかを考えるに、奇しくもちょうど良い題材なのかなと、私見ではそのように思っておる次第です。

12年前の行政講話

12年前の行政講話

2005年(平成17年)1月18日

全日遊連全国理事会

警察庁生活安全局生活環境課課長

田端智明 氏による行政講話

 

こちらはA4用紙9枚分に相当する長文ですので、ひと繋がりの文章としてではなく、要所を抜粋し、一部注釈や色付け/文字協調させて頂きます。

 

※発言の順序を組み替えたりはしません。

文頭から文末に至る、その過程で要所を抜粋します。

 

それではご覧下さい。

 

講話内容

<射幸性の抑制について>

「昨年(注:2004年)7月1日に改正規則が施行され半年以上が経ちました。

現在、新基準機が徐々に市場に、また皆様方のホールに出回り始めたのではないかと認識しており、ひと安心しているところであります」

 

「しかし、私どもが期待している多様な遊技機が、市場にどんどん出るということについては、まだこれからであろうと認識しており、メーカーの皆さん方にもできるだけ早く市場に出してほしいとお願いしておりますし、皆様方にもこの改正の趣旨をよく理解していただいていると思いますので、多様な遊技機が実際に皆様方のホールに置かれるようにご尽力いただきたいと思います」

 

「この業界の経済規模そのものは、この数年同じと思いますが、遊技人口は明らかに減っているということは皆様方ご承知の通りです」

 

「やはり長期的には、このままでは相当大きな問題であろうと思います。

射幸性の高い遊技機に頼った営業をされていますと、自分で自分の首を絞めるようなことに必ずなってこようかと思います

 

<ぱちんこ業界の未来図について>

「これからの問題として、ぱちんこ業界として重要なことは何なのかということであります。

これまで申し上げたことと連動することですが、社会と如何に共生していくか、国民の皆さんの支持を得ながらやっていくかということであろうと思います」

 

「その場合に考慮すべき大きな問題が2つあると思っております。

1つが、団塊の世代の方々がどっと60歳の境を越えていくということです」

 

「当然一般的には会社を退職して第二の人生に入っていくことになりますので、多額のお金はないですけれども、多少のお金と多くの自由な時間を持った方が一気に増えるということで、ぱちんこに限らず、レジャー産業の方々にとっては、極めて大きなインパクトになると思います」

 

「もちろんそれ以外の社会的なことを考えても10年後いろいろな面で大きな影響があると思います」

 

「影響は極めて大きいと思いますし、その中でもレジャー産業が受ける影響というのは、きわめて大きいと思います」

 

「ただ逆に考えますと、これは大きなビジネスチャンスでもあるはずです」

 

「そこを考えても、射幸性ではなくて、少しのお金で長く遊べる、楽しく遊べるということがレジャーの王道でありますが、それこそが求められることだと思います」

 

「2つ目の切り口ですが、企業の社会的責任という問題であります」

 

「社会と共生していくという皆様方の姿勢が強く求められる。

その中では、そこで遊ばれるお客さまの方々が第一であるのは当然のことでありますが、その後ろにいるご家族、さらには地域社会が遊んでいるお客を温かく受け入れるような、全体に認められるレジャー産業、ぱちんこ業界でないと、ただ単にお客にだけ良ければいいという近視眼的な目でいますと、だんだん家族から疎まれるような状況になり、もう行かないで欲しい、と言うことになる。

そうなりますと、行きにくくなりますね」

 

そういうことは徐々にくることで、その先の地域社会全体から認められるということも含めて、広い視野をぜひ持っていただきたいと思うわけであります」

 

そうした視野の中で、のめり込み防止の問題ですとか、車内放置による幼児の死亡事故の問題なども、考えて頂きますと極めて重要な問題だということがお解かりいただけるかと思います

________

ここまでが、行政講話の要所の紹介です。

 

警察庁の講話内容には、一貫性がある

このブログでは、折に触れ、今回紹介したような行政講話の内容をトピックスとして採り上げる事が多い訳ですが、読者の皆さんも既にお分かりの通り、その内容や言い回しなどにはある程度似通ったところがあります。

 

時代によってメインとなるものは違えど、

 

  • 射幸性の抑制(風適法の範囲内での遊技産業として、どうあるか?)
  • 世間一般に許容される大衆娯楽としてのあり方について

 

これら2点は、ほぼ確実に話題として出て来ます。

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この講話の重要な点

講話にあった、「射幸性が高い遊技機に頼った営業をしていると、自分で自分の首を絞める」云々については、旧MAX機の撤去旧基準AT/ART機の事を念頭に置いて頂くと、それを失った事がダイレクトにホールの営業数字やメーカーの開発/販売状況に与えたマイナス影響のほどを見て取る事ができます。

 

また、そうした遊技機をメインに据える事で、お客さんの懐がもたなくなり、一部のヘビーユーザーに依存しての営業や開発/販売になる事も12年前に既に予見されています。

 

少子高齢化に関しては言うに及ばず、この対策を講じたか否か?

 

これは、他の産業に関しても同じ事が言えますが、今現在のマーケット規模がどうなっているか推し量るには重要なトピックスだった訳ですが、ぱちんこ業界では残念ながら目先の利益を全力で拾いに行って、その対策を怠ってしまった格好です。

 

そして最後に、「単にそのお客さんだけ見るのではなく、その家族がどうなのか、疎まれるような状況にもなればのめり込みや子供の車内放置事故死といった問題にも繋がってくる」云々に関しても、実に耳が痛いところであります。

 

最近よくその活動を目にする、リカバリーサポート・ネットワーク代表の西村氏に言わせれば、

 

  • 依存はゼロには出来ないが、うまくパチンコスロットと付き合う方法はある(適度な依存)
  • 周囲から、目を瞑ってもらえる程度に留めての遊技が大事

 

このようになるかとも思いますが、ぱちんこ業界がとって来たホールの営業施策なりメーカーの開発/販売スタンスは、その真逆とも言えるものでした。

 

この手の話題を扱うと、「今更そんな事を言っても、もう遅いよ」となる場合がほとんどですが、10年ひと昔と簡単に片付けるのではなく、この10年で何が起こったのか、それを改めて考えてみるには良い題材だと思い、今回ちょっと古めのこの行政講話を掘り起こしてみた次第です。

 

 

読者の皆さんは、どのようにお考えでしょうか?

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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[記事公開]

2017年12月9日

14 comments on “大衆娯楽の王座からの転落-ぱちんこ業界の10年後を真剣に考えていたのは、ホール経営者ではなく警察庁

  1. 伸治

    ガチでキレられるまで悪ノリし続けた結果が今だと思いますので、
    業界全体が本気で反省して方向転換しようとしない限りは、
    10年後にさらに厳しい現実に直面するでしょうね。

    よくバチが当たったという言い方をしますが、ある哲学者曰く、
    バチとは身から出たサビであり、当たるのではなく、出るものだと
    言っておりました。今の業界ってまさにその通りなのかなと感じます。

    どんなにスペックダウンさせても、あの手この手で法の網目をかいくぐって、
    射倖性の高い機種を世に送り出すのが今のメーカーで、
    それに釣られて買っちゃうのがホールで、
    メーカーとホールが一体となって本気で変わろうとしないと、
    10年後には業界自体が無くなっていそうだなと思います(´・ω・`)

    あと書いてて思ったのですが、20スロと4パチを禁止して、メダルや玉の価値を10円以下、2円以下にするのは
    ダメなんですかね?ゲーセンよりも楽しくて、ちょっとした遊びにしたいなら、
    換金率を下げたりスペックダウンさせるよりも、等価の低貸しで十分だと思うんですが(´・ω・`)
    これだと、採算取れないのでしょうか?(´・ω・`)

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      伸治 さん
      ご指摘の「20スロと4パチを禁止して、メダルや玉の価値を10円以下、2円以下にするのはダメなのか?」
      これに関して、業界全体で、という事であれば歴史的に見れば貸玉上限金額3円時代などもありましたから、全くあり得ない話ではないですね。

      もちろん、取り締まり行政側が絡んで来る話ですから、そうすんなりはいかないでしょうが、法令として4円/20円が禁止になれば業界の金銭感覚や営業スケールは強制的に変容せざるを得ない状況になるのは確かです。

      それによって駄目になるものもあるでしょうし、復活するものもあるでしょう。
      或いは、全く新たに生まれ出るものすらあるかも知れません。

      採算云々に関しては、いかなる状況や法令下であっても「やれる企業はあるし、やっていけなくなる企業はある」ので何とも言えません。
      まあ、少なくとも「大手」と言われるところは、巨体の維持が困難になる可能性が高いかも知れませんね。

      Reply
  2. 匿名

    自分も低貸だけならMAX機でも斜倖性は下がると思うんですけど、どうなんですかね。
    ただ、回らないのがホールの当たり前の状況なので、楽しむことも出来ないですね。
    その上当たらないので店長ボタンを疑わざるを得ない。
    だれが大当たり確率を保証してくれているのか分からないです。
    結果回らない当たらないなのでますます面白くなくなってお客さんは飛びますねw

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      匿名 さん
      低貸しならいかなるスペック機であっても、警察庁が指摘する射幸心をそそる云々には該当しないという話は業界内でも沢山あった訳ですが、それを監督官庁としっかり論議する場に座らせてもらえるほど、この業界には信用も時間もありませんでしたね。
      カジノ関連の動きに巻き取られる形で、規則改正へと一気になだれ込んで行った感じです。

      Reply
  3. 匿名

    規制すべきはホールじゃなくてメーカーだと思いますけどね。各メーカー1年に8機種(四半期に1機種ずつパチンコ4、パチスロ4)しか出せない規制でもすればいいんですよ。

    と思うものの、警察、メーカー、ホール、ユーザー、の目指す方向性が違うので何をしても合意は無理じゃないですか?どこかが悪いとかじゃないですよ。そもそも求めるのものが違う。

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      匿名 さん
      ホールにしてもメーカーにしても、営業上の自由がある、直ちに違法とは言えない、組合組織の取り決めには法的拘束力はないなどと言っていると悪い方にしか進んで行かない業界です。。。

      Reply
    1. 楽太郎 Post author

      匿名 さん
      私が言うのもなんですが、365日大きな現金収入があるホール側はあらゆる感覚が世間一般とはかけ離れていますし、メーカーはメーカーで閉じた特殊な産業における優越的な地位を有しているという点で世ズレしています。

      Reply
  4. 花太郎

    結局のところコンプライアンスの問題なんですよね。
    コンプライアンスには法令順守のほか、社会に対する意義・意識を問う意味も含まれています。それが業界の上層部に決定的に足りていない。ノーブルではないんですよね。おしなべて俗物です。
    パチンコ産業が在日という政治問題をはらむことから、警察庁が長年目こぼししていたのは周知の事実かと思いますが、いまだ何をしても許されるという意識がどこかしらあるのではないでしょうか。
    パチンコ業界があるべき姿など、本来であれば有識者らも巻き込んで議論していくべきでした。しかし長年特許を盾に、他産業の参入を拒んできた業界に、そんな懐の深さがあるはずもなく…。これはホールも同様でしょうね。
    コンプライアンスを軸にした議論があれば、おそらく警察庁も妥協点を探るテーブルについたことと思います。でも、自浄作用が期待できないと判明したことで、おそらくマップの最後を廃止に置いているのかなとさえ思います。換金行為と法律の整合性はどう屁理屈を並べたところで説明できませんから。もうひとついえば、パチンコの必要性が社会的観点からどう考えたところでひねり出せない。以前は「ストレス解消」という意義がありました。いま客に、そう言える人はどれだけいるでしょうか。なぜ打つのか、「面白いから」といえる客もひょっとしたら少ないかもしれない。「楽して儲けたい」「負けを取り戻したい」そんな動機が大半を占めるとさえ思います。

    パチンコ産業は、もはや存在意義も失った砂上の楼閣といえます。砂は崩れたらあっというまです。楽太郎さんもとうに気づいているでしょうが、おそらく、そんな状況ですよね。(長文失礼しました)

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      花太郎 さん
      ご指摘の通りですね。
      過去の警察庁の行政講話でコンプライアンスとは何ぞやという事に触れたものがあります。
      そこでは、法令遵守という訳を充てるのには違和感もある。決まり事をただ守っていれば良いというニュアンスが強いからだ。コンプライアンスの語句は完全に満たすという意味があり、そうするには法令が何を要請しているのかを理解して積極的に適法であるように努めて行く姿勢こそ大事だと思う、といった主旨の事が述べられていましたね。

      Reply
  5. ゴンザレス

    警察庁と言えば、そりゃエリートの集団ですからね。業界の将来も考えますわ。でも都道府県警や所轄の生安が何処まで意識が(良い意味で)高いかが疑問。実際に対応する人間の質が低ければ、どうにもならん。

    共生、する気が無いですね。例えば反対運動が起きている地域に法を盾に強引に建設。法律をクリアしているからと、産婦人科の隣に潰れたホールを買い取る形で新規出店。地域住民の迷惑を省みない出店は中々ヘドが出る。

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      ゴンザレス さん
      私の管理店舗エリアの所轄生活安全課に、学生の頃は良く羽根物を弾いていたという方が過去にいました。
      色んな意味を込めてでしょうが、昔と今は違う、時代の要請に沿った営業をと常々仰っていましたね。

      Reply
  6. 匿名

    別にええやん
    ジャンキーに頼った営業をするのはどこの業界も同じだし
    営利企業としては儲かればええんじゃ

    なぜ糾弾するのかが俺にはわからん
    そりゃあ高交換無制限に惹かれるのは何も知らないから、それが都合のよい客だから、当たり前であり
    業界自ら規制するなど有り得ない
    攻めて攻めて攻めまくる、それが正しいあり方
    ここでだってスペックダウンすることに文句ブーブー言ってるクセして都合がいいんだよなあ

    等価ボーダー50で40回り、ベース60の遊技機を目指しもっと規制しろよ
    確変も時短も電動役物も、電動ハンドルも、保留システムも全ての大当たりを継続する要素を投げ捨てて自由に遊べるようにしろ

    Reply
  7. 楽太郎 Post author

    匿名 さん
    働かなくてもパチンコスロットを打っていれば生活できたり貯金できるくらい勝てないと満足しない打ち手と、極大な粗利がないとやって行けないホール&メーカーが退場すれば、また違った業界にもなるでしょうね。
    そんな「遊べる」だけの遊技機や遊技場なんか意味がないという客層が居る一方で、千円30~40回回せて高ベースで、数千円の出し入れで満足な客層だって居る訳ですから。

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