今回は、ブログ開設初期から交流がある情報提供者から、寄稿して頂きました。
寄稿者情報
今回は、国/政府としてのギャンブル依存(症)問題についての情報や、それに絡んでぱちんこ業界にどのような影響が及ぶか、といった情報等を主に提供して下さっている方から、寄稿して頂きました。
読者の皆さんもご存知の通り、このブログでは、折に触れ、ぱちんこ業界における「依存問題対策」等の記事を公開させて頂いております。
ブログを運営している立場で感じている事を率直に申し上げれば、ホール側も、メーカー側も、販社はじめ遊技機の流通に携わる立場の者も、当然ユーザーも、依存問題に対する関心度は極めて低いと思っております。
パチンコスロットへの依存によってもはや「遊技」とは呼べないような付き合い方をしている人がごく身近に居ない限りは、こういった問題に向き合う場面はなかなか無いのかも知れません。
しかし、業界としては、「対策を講じない、という事が許されない」立場にありますので、私としては単なるポーズとしてではなく、情報提供を受けつつ、日々色々と勉強させて頂いておる次第です。
その「教材」を下さっている方から、この一年を振り返り、来年の事を展望する年末のこの時期に、文章をしたためて頂き、また資料も送って頂いた、という経緯です。
それでは、寄稿文および資料をご覧下さい。
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寄稿文
メール本文
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楽太郎様
最近思っていることを書いてみました。
文章および、この文章の根拠となっている資料を4点、添付させて頂きます。
ざっと書いた文章ですので、文意・根拠が不明な点がありましたら、ご指摘をお願いいたします。
以下、添付文章および資料
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今回は、最近の、政府による「ギャンブル等依存症」対策について、できるだけ簡潔に、私の思うところをお伝えさせていただきたいと思います。
ぱちんこ業界を見ていて、まず思うことは、特に2016年12月の「IR推進法」成立以降、日本政府はカジノ実現に向けた準備を着々と進めており、ぱちんこ業界もその大きな流れの中に位置づけられているにも関わらず、
ぱちんこ業界は、業界内とその所管省庁である警察庁の意向しか視野に入っていないのではないか?
ということです。
この視野狭窄の状態では、なぜ現在の政策が行われ、また今後、どのような政策が行われようとしているのかを、しっかりと見定めることはできないのではないか?
と思っております。
カジノ実現に向けて、今年7月に、2つの法律が成立しました。
「ギャンブル等依存症対策基本法」と「特定複合観光施設区域整備法」(いわゆる「IR実施法」)です。
前者の「ギャンブル等」には、カジノだけでなく、公営競技とぱちんこが含まれます。
後者は、カジノが直接の対象ですが、その決定事項は「ギャンブル等」(公営競技、ぱちんこ)にも影響を及ぼします。
というのも、「同じギャンブル(等)で、なぜカジノだけが」というカジノ事業者の反発を招かないように、です。
「ギャンブル等依存症対策基本法」では、その成立以降、内閣官房内に「ギャンブル等依存症対策推進関係会議」が設置され会議が開かれてきましたが、同法の施行により「ギャンブル等依存症対策推進本部」と改称しました。
ここでは、同法に従って、「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」(以下「基本計画」)を定めます。
この「基本計画」が、「ギャンブル等依存症」対策の具体的な施策の細目となります。
一方、「IR実施法」を根拠として、内閣官房において「特定複合観光施設区域整備推進本部」が設置され、「特定複合観光施設区域整備推進会議」が開催されています。
ここでは、「IR実施法」に関係する「一般的な細則に関する政令」が着々と定められています。
今回は、「ギャンブル等依存症対策基本法」および「基本計画」についてのみ、言及します。
「ギャンブル等依存症対策基本法」では、2019年5月14日から20日を「ギャンブル等依存症問題啓発週間」と定めており、この来年の最初の「啓発週間」を、国の施策を国民に発表する機会としたいと計画されています。
そのため、この「啓発週間」までに、「ギャンブル等依存症対策推進関係者会議」からの意見聴取とパブリックコメントを済ませ、来年の4月中には「基本計画」を閣議決定するというスケジュールが立てられています。
ちなみに、ぱちんこ業界団体でも、「啓発週間」の初日にあたる5月14日に、「依存症」問題を啓発するイベントを計画しています。
この「基本計画」に関してですが、「ギャンブル等依存症対策基本法」だけでなく、同法採決の際に参議院内閣委員会において採決された「ギャンブル等依存症対策基本法案に対する附帯決議」(以下「附帯決議」)の内容も重要です。
第1回「ギャンブル等依存症対策推進本部幹事会」において、議長である杉田内閣官房副長官は、次のように発言しています。
「今後の基本計画の策定に当たっては、関係省庁において基本法の規定やその附帯決議、国会における議論を踏まえて、従来の取組に拘泥することなく、新たな対策を構築されたい」
「附帯決議」の中には、次のような記述があります。
「(前略)基本計画の策定に際しては、啓発を含む広告及び宣伝の在り方、入場管理の在り方、本人や家族の申告に基づく利用制限の在り方、相談窓口の在り方、インターネット投票における対応の在り方等を検討すること」(第二項)
「ギャンブル等依存症」対策が、これまでの警察庁による「指導」と異なる点は、主に、以下の3点となります。
1:風営法を根拠とする警察庁のみによる「指導」ではなく、国の施策であるため、公営競技、そしていずれ登場するカジノと同列に、ぱちんこもその対象となる。
また、関係省庁が、警察庁と公営競技、カジノの所管省庁だけでなく、消費者庁、厚生労働省、金融庁、法務省、文部科学省と広範になっており、これらの省庁からぱちんこ業界に関係する(ぱちんこ業界を含む)政令が出される可能性もある。
2:国から「IR実施法に係る一般的な細則に関する政令」が出されると、個々のIRを設置する都道府県が、IRに関連する政令を定めることになる。
ここには(広告宣伝規制や啓発活動を含めて)「ギャンブル等依存症対策」も含まれる可能性が高い。
また「ギャンブル等依存症対策基本法」の「基本計画」では、国の省庁だけでなく、都道府県にも「ギャンブル等依存症」対策の義務が課される見込みとなっている。
それらを受けて、都道府県レベルでの「ギャンブル等依存症」対策に関する政令が成立していくことになる。
ここで、ぱちんこ業界は、国が定める以上の更なる「ギャンブル等依存症」対策を、都道府県から求められる可能性がある。
3:公営競技、カジノとも、「ギャンブル等依存症」対策は事業者(設置者)の負担で行っている(行うことになる)。
そのため、ぱちんこ業界が、国や都道府県より「ギャンブル等依存症」対策の応分の費用負担を求められることは十分に想定されるが、その財源はまだ議論されていない。
・・・以上、あくまでも私見ですが、「ギャンブル等依存症」対策に関する大局的な動きとしては、このようなものになるかと思います。
また何か動きがありましたら、その都度提供させて頂く事にいたします。
資料1
資料2
資料3
資料4
[備考]「大阪IR推進会議」における資料
以上、寄稿文は上記の通りです。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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[記事情報]
2018年12月22日公開
依存症対策地方税とか言って売上の10%ぐらい取っていきそうですね、くわばらくわばら。
業界を締め上げたら遊技者に負担を転嫁して全体が滅ぶ。
でも為政者としては無くなったら無くなったで別にかまわないと思っているんでしょう。
国に見捨てられた業界が今後どう動いていくのか
興味深く生暖かい目で注視しています。
大丈夫ッすよ!
禁煙法案みたいに骨抜きになったり、障害者雇用率みたいに企業には押し付けて威張ってるのに官公庁内では適当にやったり、音頭をとる声やかけ声は大声でも実際にはしがらみや押し付け合いで行動は声に比べれば極々小さくなるのがお役所仕事ですから!(偏見
しかし、まあ、本当に何か出来るとしたら、警察庁(パチンコ)や農水省(競馬)や経産省(競輪・オートレース)、国土交通省(競艇)、そらに群がる各種団体、場合によっちゃ地方公営の関係自治体も何かしら関係してきますから、凄いなぁとは思います(´・ω・)
絵にかいた構想は壮大で実に旨そうだが、本当に美味しく腹満腹なるほど充分な量と素晴らしい味で喰えるとは思えん。喰えれば実に愉快ですが(´・ω・)