ホールは、メーカーから新台購入するか中古市場で購入する以外に、選択肢は無いのか?なぜメーカーはヒット機種を気軽に増産しないのか?-回答

今回は、遊技機の販売に関するご質問にお応えします。

 

スケキヨ さんからのご質問

はじめましてスケキヨと申します。

 

パチンコ、パチスロでスマッシュヒットが生まれる度に疑問に思っていることがありましたのでご質問させていただきます。

 

中古機の価格高騰と増産についてです。

 

最近だと「聖闘士星矢 海王覚醒」が記憶に新しいのですが中古機で数百万円という値段がついたり、ジャグラーが販売価格の倍額で取引されたりしているようですが、ホール側としてはこのような販路でしか導入する術はないのでしょうか?

 

また、メーカー側としては中古機が高値で取引されているのは新台を購入してもらう機会損失ではないかと思います。

 

増産って難しいんでしょうか?

________

ここまでが、スケキヨ さんからのご質問です。

(全文そのままです)

 

それでは、回答です。

象さん

回答

遊技機の「流通」について

まず、本件については、私はあくまでもホール側の人間ですので、メーカーの事情や思惑については情報提供者の方々から教えて頂く限りにおいてしかお応えできません。

 

それをお含みおき頂いた上で、回答に入らせて頂きます。

 

まず、中古市場とメーカーとの関係ですが、ホールから見た際にはどちらも「遊技機の供給側」にあたります。

 

この供給側に、運送業者等も含めて、遊技機の流通に携わる立場の全ての者が遵守すべき規約があります。

 

それは、「製造業者遊技機流通健全化要綱」および「中古遊技機流通健全化要綱」という取り決めです。

 

全体像をお話しすると面倒な事になりますので、ごく掻い摘んで要点だけお伝えすると↓

 

遊技機の流通には、業界団体側が正式に認可した者でなければ携わる事ができず、流通の過程においては、その都度必要な点検確認や書類が必要になる

 

…という事柄が明記された要綱と言えます。

 

遊技機は、取り締まり行政側が許可した検定機である必要があり、その性能が保証されない状態/状況では、流通させたり、ホール営業の用に供してはなりません。

 

なので、まずは新機種においては、正規に新台販売⇒書類等の発給および申請⇒運送⇒設置⇒設置確認(メーカー/販売代行店/ホール側の有資格者等)され、それを所轄が開店前検査してパスして初めて、営業に使用できる、という流れになります。

 

これは、中古機においては、もうひと段階必要になります。

 

元々設置していたホールから撤去され、必要な点検が施されて、受け渡しの段階でその都度必要書類が作成され、セキュリティー封印されて保全されている物のみが、正規なルートで流通した物として次のホールに設置可能になります。

 

そのような中古機が、設置に必要な書類等の発給および申請⇒運送⇒設置⇒設置確認(販売代行店/ホール側の有資格者等)および所轄の検査を経て初めて、営業に使用する事が可能になります。

 

つまり、遊技機は、ぱちんこ業界の正式な流通ルートからでないと入手できない、という事であり、ご質問にあった↓

 

「ホール側としてはこのような(=新台販売or中古市場で購入するという)販路でしか導入する術はないのでしょうか?」

 

こちらに対しては、上記のような回答になります。

 

極端な例えを述べさせて頂けば、私のプライベートな友人が家スロ販売会社から通販で1万円で購入して趣味で自宅に所有しているアナザーハナビ弥生ちゃんを、ホール企業の私が自宅訪問した際に見つけて

 

「それ、いいね~」

「ウチで設置したいから、3万円で譲ってよ」

 

とその場で譲ってもらっても、その遊技機に対して設置に必要な書類(保証書/検定通知書、或いは誓約書等)が供給側から発給されたり、設置に必要な変更承認申請を行ったとしても、それが所轄から受理されるという事は無い、という事になります。

 

書類や検査については、具体的にはより細かい名称や決まり事があるのですが、今回のご質問の主旨からは外れますので、割愛致します。

 

次に、後段で↓

 

  • 「メーカー側としては中古機が高値で取引されているのは新台を購入してもらう機会損失ではないかと思います」
  • 「増産って難しいんでしょうか?」

 

これらについて、お話ししたいと思います。

 

増産した方が良いのでは?

まずは、結論から先にお話しします。

 

中古市場で高値で取引されるくらいユーザー人気/需要があったり、ホールにおける営業貢献度が高い機種ならば、メーカーとしては同じ型式で増産して販売すれば、その分だけ儲かるのではないか?

 

また、ホール側としても、場合によってはその方が機械代負担を軽減できるのでは?

 

という事でしたが、これについては↓

 

①メーカー側は、ある機種の中古市場での価値や営業貢献度を、次機種(続編)のセールス時の武器にする場合もあるので、必ずしも販売機会の損失にはならない

 

②増産には、保通協の試験に適合して検定取得した時と全く同じ部品で製造する必要がある。そのため、必ずしも、同じ部品を必要数量用意する事ができる訳では無い

 

…こんな感じの回答になります。

 

①の解説としては、市場に供給する台数が多くなるほどに、全体数字の水準が下がる場合もあるので、そうなるよりは中古市場で高値で取引された実績があり、ホールの営業現場でも良パフォーマンスを長期間維持したという実績を元にして、後発機や続編機のセールスに結び付けた方が良い場合も多い、という事になります。

 

例えば↓

 

<歴代ヱヴァの実績比較表>

  • 稼動貢献=■週間!
  • 粗利貢献=導入■カ月で●●●万円!
  • 市場残存率=新台販売時から1年後において、■%が現役稼動していました!

「実績抜群のヱヴァの新作ですので、是非ご検討下さい」

 

…こんな感じの営業資料やセールストークが成り立ち、これはエリア差や運用状況により数字が上下するものの全体データとしては事実ですので、有効な販売手法という事になります。

 

例に挙げたヱヴァは、残念ながら中古市場における価値を長期間維持したという前例がそんなにありませんが、これがジャグラーシリーズの場合は、中古市場において長期間にわたって価値を維持しているという実績も加わって来ますから、なお一層の後続ジャグラーのセールス時における強みになる、という訳です。

 

②については、何となくイメージして頂けるかと思いますので、ここでの解説は割愛致します。

 

・・・ホール側の私からの回答は、こんな感じになりますが、ではメーカー側の方は、どんな感じに考えているのか?

 

スケキヨ さんとしては、大変気になるところかと思いますので、せっかくですから情報提供者の方からコメントを頂戴しております。

 

このような場でお話し出来る事と出来ない事があり、内容によっては身元バレに繋がりますので、スケキヨ さんが期待していたような内容かどうかは分かりませんが、参考にして頂ければと思います。

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メーカー側の意見

以下、情報提供者からのコメント内容を、送って頂いた文面そのままの形で紹介させて頂きます。

↓ ↓ ↓

________

  • 「メーカー側としては中古機が高値で取引されているのは新台を購入してもらう機会損失ではないかと思います」
  • 「増産って難しいんでしょうか?」

 

これら2つのご質問に、メーカーの立場でお答えします。

 

結論としては、

 

  • 「どちらとも言えない」
  • 「バランスが大切」

 

この2つが答えという事になります。

 

機会損失になる場合もあれば、そうでない場合もあります。

 

とは言え、これだけでは曖昧過ぎますので、以下で詳しく説明していきます。

 

【機会損失になる考え方】

新台価格で売れるのに、売らない。

 

新台価格が約40万円。

中古流通で100万円の値をつけていた場合。

 

確かに、メーカーとしては、新台増産し再販すれば、確実に売れます。

 

この考え方では、新台を増産しないことは、確かに機会損失となります。

 

新台で売れるのに売らないのは、その分、売上を損失しているという考え方です。

 

この考え方も、当然大切です。

 

しかし、機会損失にならないという考え方もあります。

 

【機会損失にならない考え方】

次機種シリーズ機や他機種等の最大販売化の為に増産しない。

 

メーカーは、半永久的に、どんな機械も購入してもらう必要があります。

 

企業存続の為です。

 

これを実現するには、各社キラーコンテンツをいうのを武器に、色々な営業戦略を考えます。

 

楽太郎様の内容にあったように

 

「ヱヴァシリーズ稼働貢献〇〇週!!」

 

と、次のシリーズ機を買って貰う為に増産しないのも、戦略の一つです。

 

私からは、これとは少し違った視点で説明を加えさせて頂きます。

 

①「稼働が良ければ増産するでしょう!?」という考えを排除する

これは、ホール様が思う心理です。

 

要は、稼働を見てから新台購入すれば良い、という考え方になります。

 

こう思われたら、メーカーは、増産以前に新台すら購入して貰えなくなります。

 

こういった考えを無くす意図があります。

 

②大人の事情(抱〇合〇せ)を購入して貰う為増産しない

「稼働すれば増産するでしょ!?」

 

という考え方に少し類似しますが、そう思われると大人の事情の抱〇合〇せの機械が売れなくなります。

 

  • いい機械が9月にリリースされる(仮)
  • クソ台が7月8月に控えている状況
  • ホールコンピューター等の設備関連を売りたい状況

 

こういった時に、9月のいい機械が簡単に手に入ると思われては困ります。

 

クソ台や設備関連商品を、購入して貰えなくなるからです。

 

なので、

 

「9月の機械は台数を少なめにして稼働重視でいきます!」

「9月以降は増産しません!」

 

というセールストークを武器に、クソ台や設備関連商品を売ることができます。

 

③付き合いのある法人様への便宜上

すぐに増産していたら、今までお付き合いのある法人様を無下にする事になります。

 

特に、大手法人様に対してこのような事をしてしまった場合、益々クソ台が売れなくなります。

 

そういった風に、法人様にも配慮をして、増産のジャッジをしないパターンもあります。

 

ただし、この③に関しては、あまり聞かない事象です。

 

まとめ

  • 稼働実績が出た機械を武器に、今後出てくるであろう機械を最大限販売する為にも増産しない
  • 目先の利益か今後の利益を取るかのバランスを考えて増産のジャッジを下している
  • 増産が難しいのではなく、増産は出来るが今後の販売を考え敢えてしない

 

…ということになります。

 

最後に、どうしようも無く増産できないパターンを、2つ紹介します。

 

【どうしようも無く増産できないパターン】

①部材が無い

同一型式(全て同じ部品)の機械でないと増産ができないので、部材が無いと増産できません。

 

②時代背景

5.5号機を販売していい期間というのが存在しました。

 

聖闘士星矢に関しては、単純に、時代背景によって売れなかったと記憶しております。

 

・・・以上、質問の答えになっていれば幸いです。 

________

ここまでが、情報提供者からのコメント内容です。

 

裏話

最後に、これは余談と言いますか、”裏話”なのですが、付き合いが長い販社側の方からのコメントも紹介して、締めさせて頂く事にします

↓ ↓ ↓

________

「業界の正規の流通ルート以外から台を持って来て、それを裏技的に設置できるかどうか、ですか?」

 

「できますよ」

 

「回胴遊商非加盟の、4流5流メーカーがあるじゃないですか、A社とかB社とか」

 

「そこの社長と、直で遣り取りできる販社の要職者、まあかなりのベテランとか、私みたいな者であれば、可能です」

 

「例えば、私がB社の遊技機を、どっか適当な所から調達して来たとするじゃないですか」

 

「私、B社の社長とは話ができますので、一応、先方にその台を渡して”点検”してもらいます」

 

「まあ、実際には点検なんかしない場合もあるんでしょうが、そこらへんはツッコミません」

 

「それで、先方がOKであれば、検定通知書の写しを発行してくれて…という流れで、ホールさんに設置は可能ですね」

 

「”点検”の精度ですか?」

 

「”怪しい改造機”が設置される可能性?」

 

「まあ、本来はユニバみたいに主基板をしっかり検査して、必要に応じて基板等は交換して、というのが筋なんでしょうが、零細メーカーがそんな事をいちいちやるかと言えば、お察しですよね」

 

「なので、現行の流通制度でも、悪い事をやろうとする面子が揃えば、裏ルートでそういった台を設置する事は”不可能ではない”というのが私の答えですね」

 

「もちろん、無茶苦茶リスクがありますが」

 

「そんなルートで設置して、もしバレたら、もう業界の表側には居られません」

 

「それで設置した台が、ホールさんで営業中に何かしらの不審な挙動を見せた場合は、このご時世ですからSNSなどで拡散されて、一発でバレますしね」

 

「これは、あくまでも”昔話”や”裏話”であり、あらゆるリスクを顧みない場合はやれますよ・・・という程度でお願いします」

 

「今、そんな事をやっているメーカーや販社なんて、無いと思っていますので」

 

「A社、B社の社名は伏せて下さいね」

________

販社側の方からのコメントは、上記の通りです。

 

 

以上、今回は、これくらいにしておこうかと思います。

コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。

 

 

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[記事情報]

2019年6月16日公開

4 comments on “ホールは、メーカーから新台購入するか中古市場で購入する以外に、選択肢は無いのか?なぜメーカーはヒット機種を気軽に増産しないのか?-回答

  1. るい

    いつも拝見してます、るいです。
    若干難しいところはありましたが、なんとなくの形は見れたかなと。
    こういうお話聞くと、ホール経営って大変なんだなと改めて思いました。
    私は質問された方のように全然詳しくないのでここまで考えたことはないてすが色々とあるのですね。勉強になります。
    貴重なお話ありがとうございます!

    Reply
  2. ゴンザレス

    成る程。

    増産すると下手すりゃ「どうせ増産するから全国的な稼働を見てから買うか」という心理が働き、初回販売の台数が捌けなくなるかもしれない、と。

    売る方も買う方も、まるで心理戦のような駆け引きがあるんですね(´・ω・)

    Reply
  3. のんべえ

    狐と狸の化かし合い・・・は言い過ぎか(^^;

    メーカー側の意見が倒産寸前の会社の自社高コスト体質に対する
    言い訳に聞こえてくるのは気のせいかな?

    自動車業界を見習って複数メーカー間の部品共通化に踏み切れば
    低原価(低価格とは言わないw)&任意のタイミングで増産が実現しそう。

    サミーとユニバだけでは効果が薄いので全国共通にして
    業界全体の低コスト化を実現・・・できたら面白いなあ

    Reply
  4. スケキヨ@ポセイドンステージ

    丁寧かつ興味深い回答有難うございました
    クソ台を定期的に購入するのも先行投資だったりするんですね

    Reply

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