パチンコ店で会員カードを提示した地元常連客しか入場/遊技できないような営業は可能ですか?-回答

今回は、いわゆるイベント狙いの軍団対策についてのご質問にお応えします。

 

キュルキュマ さんからのご質問

楽太郎様こんにちわ。

 

今月から読ませていただいていて、旧サイトの方も時間を見つけては読ませていただき参考にしています。

 

難しいトピックスも多いですがどうにか付いて行っています(笑)

 

コメント、質問も多いなかですみませんが、私の方でも1つ質問させてください。

(急務ではありませんのでお時間があるときでけっこうです。)

 

◇質問◇

完全会員制の営業は可能でしょうか?

(過去記事のなかでご解説済みでしたら、恐縮ですがそちらの記事を教えて下されば読ませていただきます。)

 

私の地域では●(注:地方大手)、■(注:地方大手)が強く、特に■は月1回のペースで著名ライターを呼んで開店待ちで500人並んだこともあります。

 

そういうとき、普段は見ない客層、若者グループもいるようで地元の人間にとっては遊びに行きたくてもまず並びが多すぎて敷居が高かったり、正直言って柄が悪い人も増えるので嫌です。

 

必ずしも500人並ぶわけではないですし、必ず客層が悪くなるわけではないのですが、そういう傾向はあるので一番強いイベントなのに参加意欲が出てこないという場合が多いです。

 

これは友人に聞いても同じ感想でした。

 

そこで質問の内容になるのですが、会員カードを持っていて一定の来店回数(月に5日以上とかです)がある地元常連客だけを入場させて遊ばせるような営業は、何かまずい点があるのかということを教えていただきたいと思ったのです。

 

もしも本当にホールが地域密着をうたって営業して、還元してくれるのなら地元の常連にそうしてくれた方がお互いにとって得があると思います。

 

質問は以上となります。

 

どうぞよろしくお願いします。

________

ここまでが、キュルキュマ さんからのご質問です。

 

それでは、回答です。

入場制限

回答

結論

まずは、ご質問への結論からお話し致します。

 

私見では、風適法か各都道府県条例のどちらかに抵触する可能性が高く、お店側としては実施する事が困難と言えます。

 

あくまでもご質問文面だけでイメージしていますが、そちらの地方大手さんだと、おそらくは設置台数分相応の規模の駐車場を備えていて空間的に余裕があり、招致するライターさんや広告宣伝内容によっては500名並びの営業日を用意する事も、そんなには難しくないのかな、という印象です。

 

そういった中で、キュルキュマ さんのような地元民目線で見れば、この中に実際どれだけの地元民、常連客が居るんだよ、還元度が高い営業をしても、それがどれだけ意味があるのか、カード会員/常連客限定での営業日にした方が良いのでは?

 

このように、疑問に思われるのは、当然と言えます。

 

しかし、特定の営業日だけにせよ、毎日完全会員制にするにせよ、そうした営業自体が「著しく射幸心をそそるおそれのある営業」として、取り締まり行政による指導/処分の対象になる可能性が極めて高いと判断します。

 

以下で、より詳しくお話しして参ります。

 

法規の解釈

なぜ私がそのように判断するかと申しますと、他の業種でもそうですが特にぱちんこ業界においては、「限定」という言葉自体が来店/消費意欲をそそるからです。

 

特定の条件を満たした属性のお客だけを対象として営業した場合には、ホール営業の現場においては

 

  • 高設定台を多数用意しての営業を、お店側が暗に示唆している
  • 甘釘調整台を多数用意しての営業を、お店側が暗に示唆している
  • 高設定台や甘釘調整台を多数用意しての営業だと、お客が勝手に期待してしまう状況を意図的に作り出している

 

このように受け止められる場面が多いでしょう。

 

これは、広告宣伝規制に触れる場合もあったり、実際に甘釘調整営業にした場合には無承認変更案件にもなり、実際には甘釘調整営業にしなかった場合でも「客に容易に多数の出玉を取得できることを期待させるように煽った上で、そうしなかった」という観点では誇大広告=著しく射幸心をそそる営業として、どこをどう見てもNGな営業手法であるように思います。

 

エリア事例

ただし、私は法務知識がある訳ではなく、あくまでもいち店長に過ぎないので、警察庁や裁判所が実際にどのように判断/解釈するかまでは分かりません。

 

また、ざっと調べましても、本件に該当するような裁判事例は見つけられませんでした。

 

これについてはお詫び申し上げます。

 

しかし、例えば、先ほど「風適法か各都道府県条例のいずれかに触れるかも」とお話しした事に関して、北海道と神奈川エリアの事例を引き合いに出して良いと思います

 

どの都道府県にも、大元となる風適法を各エリア事情を反映した上でより厳密に条例として規定している訳ですが、必ず「入場制限」に関する規定があります。

 

これはなぜかと言えば、パチ屋も風俗営業のひとつですから、「隠れてコソコソするな」という事を常に注視されているからです。

 

より具体的には、施錠したり、薄暗い営業環境で「性行為や過剰サービス」に及ばないように、という事を事細かく規定しています。

 

<北海道>

もちろん、都道府県によってその規定の仕方は異なりますが、例えば北海道などは近年までは「みだりに客の入場若しくは遊技を拒み、又は制限しないこと」という規定が存在していました。

 

※私が店長職に就いたばかりの頃には明記されていましたが、直近の平成29年3月31日改正の内容には見受けられませんでした。

 

※全ての都道府県の風適法施行条例を調べれば、かつての北海道と同じような内容で今でも規定しているところがあるかも知れませんが、ここでは割愛致します。

 

<神奈川>

次に、神奈川県の条例解釈を紹介します。

 

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例等の解釈基準について 」

(平成 18 年 9 月 29 日例規第 44 号/神生総発第 2064 号)

最終改正 平成 28 年6月9日 例規第 36 号 神生総発第 210 号

 

こちらの中で、6 風俗営業者の守るべき事項(第8条関係)の解釈が挙げられていますが、そこでは↓

 

(3) 「施錠その他の方法により営業所の出入口若しくは客室を閉ざし」とは、特定の客に限り当該営業所の合いかぎを渡し、又は暗証番号を告知する等により、不特定の者の出入りを妨げる行為も含まれる。

 

このような記載があります。

 

つまり、「入場規制」に違反する

前述の神奈川エリアにおける条例解釈について、

 

特定の客に限り当該営業所の合いかぎを渡し、又は暗証番号を告知する等により、不特定
の者の出入りを妨げる行為も含まれる。

 

この箇所は、ぱちんこ営業においては、そのホールでしか通用しない会員カードの提示等が入場のための必須要件、合いかぎとして機能すると解釈できるかと思います。

 

それによって、既に説明させて頂いた通り、

 

特定のお客さん限定で入場を許可し、遊技させる営業を実施している=著しく射幸心をそそるおそれのある営業行為

 

このように指摘され、行政指導/処分の対象となる可能性があるものと判断致します。
—広告—

 

例外

ここで、ひとつ疑問が残るかと思います。

 

では、入場制限とまではいかないまでも、入場整理券の配布や抽選行為はどうなのか?という事です。

 

これに関して、近年の事例では、埼玉エリアなどにおいて入場整理/抽選行為自体がイベントの信頼度と結びついて射幸心をそそったり広告宣伝規制に違反するのではないか、或いは集まって来る人数によっては近隣にとって迷惑になるのではないか、といった議論もありました。

 

しかし、私見では、こういった場合の入場整理/抽選行為は、ただちに入場制限とは言えず、風適法およびその施行条例には触れないものと考えております。

 

その理由は、お客さんが沢山「集まって来てしまった」ので、社会通念上の「事故防止の必要性」が生じて、営業施設側として「やむなく(むやみに、意図して、ではない)」実施したとして、許容されるべきと考えているからです。

 

色々とお話しして参りましたが、今回のキュルキュマ さんからのご質問である

 

完全会員制の営業は可能か?

 

これに対するお返事は、以上となります。

 

十分な回答になったかどうかは分かりませんが、今回はこれくらいにしておこうかと思います。

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[記事公開]

2017年12月25日

13 comments on “パチンコ店で会員カードを提示した地元常連客しか入場/遊技できないような営業は可能ですか?-回答

  1. take

    いちスロッターとしては会員デーとかやって欲しいですが、
    楽太郎さんのおっしゃるとおりで、イベントすら禁止のこのご時世、
    厳しいですね~

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      take さん
      カード提示しないと打てない台が用意してあったり、くじ引きに参加できたり(1等は甘釘券or設定6予約券!)、持ち玉の台移動すらできないお店もあったり、昔はアナログ的な特典が結構あってお得でした。

      Reply
  2. Pingback: パチンコ店で会員カードを提示した地元常連客しか入場/遊技できないような営業は可能ですか?-回答 | パチパチスロスロあんてな

    1. 楽太郎 Post author

      匿名 さん
      何気に深いご提案ですね。
      施設管理上、そうせざるを得ないような真っ当な理由があれば可能かも知れません。

      Reply
  3. 匿名

    風適法に特記が無くともハウスルールで店側がどんな風に客を選んでも良い、という前例があるから
    特定の客を追い出すのは容易なのではないかと思っていた
    例えば明確に犯罪であるゴト行為まで行かなくても、客側の工夫である止め打ちをしたりする客は店の判断で自由に追い出してもいいし出禁にできる
    客側に保留最大になっても強制的に玉を打ち続けることを強要し、無駄玉を打たせる営業をし、了承できない客は退去させても何ら問題はない
    それならば店の判断で軍団、都合の悪い客と勝手に判断して客を追い出すことは十分可能だろう
    裁判になっても店が勝てる
    それに実際のところ軍団が来ようが見映えが良くて儲かってるから(軍団だと思ってるだけでたいした客じゃない)止める必要も無いんだろう

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      匿名 さん
      ご指摘の通り、ぱちんこ業界に限った事ではありませんが、ハウスルールというものほど営業施設管理者側に都合が良いものはありませんからね。
      従わない場合は不退去扱いにすれば良い訳ですし。

      もちろん、自店にとって有利なルールを乱用すればどうなるか・・・敢えてわざわざ触れるまでもありませんよね。
      まあ、そういうパチ屋も結構多いみたいですが。

      Reply
  4. けん

    昔みたいにプロあるいはセミプロは入場お断りしますというのはできないのですね。。。。
    道理で軍団が野放しなんですね。

    Reply
  5. ニセ

    なるほど。確かに今だと広告規制で
    「著しく射幸心をそそるおそれのある営業」
    に引っかかりそう。
    もう20年ぐらい前になりますが、獣王などの新機種入れ替え日に、
    「本日会員限定」で会員カードを提示した人のみ入れる店がありました。
    昔から入場抽選すら厳しく、ほとんど並び順でしか入場させない宮城県ですが、
    そんなことはありました。

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      ニセ さん
      ぱちんこ営業に関わる事情として、エリアによってOK/NGの違いがある事は、取り締まりにおける法的な整合性が無いんじゃないの、というご指摘は昔から盛んに言われていますね。
      じゃあ、業界側で「より無難に」自主規制して、要は一番厳しいエリアの解釈に合わせて例外なく順守して全国で統一しようという話も出ては消える訳ですが、どのホール企業も営業の観点から損をしたくはない訳ですから、これまた進展がない話ですね。

      Reply
  6. 匿名

    関西某ホールでは、年1旧イベント日の優先入場券を一定の条件(それが来店回数、投資額か負け額なのかは不明)を満たした会員にハガキで送っています。
    肝心の設定状況なのですが、通常イベント日に絆、凱旋(各25台)のどちらかに1/5で設定6、残りも偶数挙動なのでベースは2。年1イベントでは絆、凱旋共に設定を使い尚且通常イベントよりも6の数が多いです。
    通えば簡単に分かる癖もあるので、年1イベントは実質お店が還元したい人に還元するための日になってます。

    Reply
    1. 楽太郎 Post author

      匿名 さん
      店側の任意で会員を選別して、結果的にはピンポイントで還元するという営業は、会員側からすれば通う理由にもなるのでメリット感はありますね。
      ただし、選別の内容が不明なので、見方によっては不公平とも言えます。

      ちなみに、この手法は私の営業エリアでは不可です。
      入場整理券の発行は、あくまでも「お客さん本人が抽選に参加する」という前提条件がないといけないので、秘密倶楽部的な入場券発行とも言えるこの手法は射幸心をそそるとして、やってはいけない事になっています。

      Reply

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