今回は、パチンコの段階設定機能と、演者/ライター招致系、取材系イベントとの関係性について、私見を述べさせて頂きます。
段階設定機能の良し悪し
今回は、演者/ライター招致系、取材系イベントの好き嫌いや是非、効果のあるなしについては、触れません。
あくまでも、段階設定機能付きパチンコ機とそういったイベントとの関係性について、見通しを述べさせて頂くという内容に致します。
まずは、過去記事でお話ししていた段階設定機能についての私見を、ごく簡単に整理させて頂きます。
<メリット>
まずは、メリットに関して、この機能が効果的に活きる例は、
- ビッグコンテンツ+ST
- ビッグコンテンツ+時短突破型
こういった機種であり、その理由としては、打ち手の中にアツいパターンがしっかりと、長年にわたって定着している有力コンテンツ機に設定機能が付けば、
- あのお店の海は、魚群が出やすい(気がする、という心象も含む)
- 時短突破しやすい(気がする、という心象も含む)
こういった状況を作り出す事も可能になり、しっかりと利益コントロールしながら既存の客層に打ってもらい易い環境が出来上がるからだという主旨でお話ししておりました。
特に、年配層や会社員層、一部の若年層のように、今パチンコシーンに起こっている規則上の変化や釘の状態などはそこまで重視しない、そもそも知らない、スペック分析できない客層であっても、
「なんとなく、良さげな雰囲気」
を意図的に創出して、集客に繋げる事が可能になるというメリットがあります。
また、納品ゲージ或いはそれに極めて近い「釘確認シートの範囲内」での運用に実績があるお店であれば、やり様によっては「堂々と」集客イベントを実施する事も可能になります。
これまでの「パチンコイベント」は
①釘調整して実施している=検定機の性能を違法に改造する行為に立脚している
②釘調整しないで実施している=根拠がない空イベントであり謳い文句によっては虚偽広告になる
このように、どうやっても問題が生じていました。
これが、余計な広告宣伝はしないという事が前提ではありますが、格好を付けたかったり還元度が高い営業をしたい場面で、特定の島/コーナー/機種に対して段階設定をお客さん側にとって有利な状態にする事で集客を図りつつ営業する事が可能になると言えます。
<デメリット>
次に、デメリットに関してですが、
- パチンコは、良く分からないやり方で抽選されている怪しい遊び、というイメージを助長する
- 最低設定に、釘のマイナス調整が併用された場合には、より一層のホール不信や客離れを起こす
こんな感じです。
業界内では、
- 「段階設定も釘調整でも両方でマイナス運用にして、より一層”抜き”やすいようになるという見通しは間違い。理由は、今後は、性能表示モニタが搭載されてデータとして残ってしまうから」
- 「今後は、釘ではなく設定の上げ下げのみで運用する時代に変わって行く」
という見解もあります。
しかし、現時点で釘をぐんにゃりと曲げて営業しているお店が、性能表示モニタなどを気にする訳はなく、そんな物の存在はお構いなしに全力で抜きに行きます。
ボッタ店は、一度もまともな設定を使用する事は無く、釘をマイナス運用して臨むのは確実です。
また、ブログでもTwitterでも要所で納品ゲージ(出荷釘、無調整)での営業数値を公開させて頂いておりますが、スペック分析が可能な読者/フォロワーさんであれば、
- 「この機種の納品ゲージはこんな感じなのか…打ち手としては、ちょっとキツいな」
- 「これだと、等価~28個交換のお店でまともな利益は残せないか、粗利マイナスになるのでは?無調整で設置しておく事は無理だろう」
という印象をお持ちになるでしょう。
また、別の観点をお持ちの方にとっては
- 「納品時のままの状態で、同じ機種なのにこれだけ数値がバラつくのか…工業製品としての精度は低いな」
- 「メーカー側が製造/検品精度を上げるか、設置時の点検確認時点で釘の位置ズレがあった場合に即座に正規の状態に戻したり、新台開放できない場合のホールへの補償などのスキームを構築する必要がある」
このようなご意見も出て来るだろうと思います。
こういった諸々の事については、過去記事も参照頂ければと思いますが、要は、
「設定の上げ下げでの利益コントロールだけでやっていける、釘には一切触らない」
このような段階までは、業界全体としてまだ到達していない、早期にそのような段階に至る可能性は極めて低いと思っております。
【参考】
①2018年4月25日公開
『段階設定機能搭載のパチンコ機で集客に成功するイメージはありますか?-回答』
②2018年6月28日公開
『段階設定機能付きパチンコ機は、どのコーナーに設置してどんな感じに運用する?』
ユーザー動向について
さて、それでは次に、ユーザー動向についてひとつデータを紹介したいと思います。
業界メディアであるAmusement JapanとP-WORLDが共同で実施した「ファン4500人アンケート」です。
この内容を、かいつまんで紹介しますと、
- 有効回答者数=4433名
- 属性=男性90.9%、女性9.1%
- 年齢のボリュームゾーン=30歳~39歳
パチンコ専門もPSどちらも打つ層も、30%前後が「現在最もよく打つパチンコ機のタイプ」としてハイミドルタイプ機(確率1/280~1/320)を挙げている。
[参考]「Amusement Japan web」
2017年11月20日up
『アミューズメントジャパン・P-WORLD共同ファンアンケート
最新の遊技動向を分析 ファン4500人アンケート』(リンクします)
・・・こんな感じになります。
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解説
前段でしたデータも考慮しながら、解説して参ります。
現在のパチンココーナーの状況について、リンク先をご覧頂けば、ミドルタイプ機(確率1/200〜1/280)とライトミドルタイプ機(確率1/120〜1/200)を合わせた確率帯の遊技意欲も、かなり高い事がお分かり頂けると思います。
しかし、確率1/120近辺まで甘くなってしまいますと、ホール側の「より多くの売上/粗利が欲しい」というニーズとは合致しない場合が多いため、ここにメーカー側が主力機を投入してくる可能性は現時点では高くはないと言えます。
しかし、1/200近辺から1/320までの確率帯であれば、ユーザーの志向とホールのニーズ、またメーカーの販売戦略上の思惑も噛み合い易くなります。
メーカー側の開発事情として、出率を規格内に収めて、型式試験に合格できるか?という問題はありますが、もしも主力扱いできる確率1/200~1/320機が段階設定機能付きで出て来れば、ホール風景が今とは少し違うものになる可能性も出て来るかと思います。
かつて、2012年夏場以降、ホールのメイン島に確率1/199タイプ機が増えたという事情は、旧MAX機の成熟期であるという事に加えて、初代AKBというモンスター級の貢献機種が登場してユーザーを強く惹き付けて、それに追随する造りの機種(=ライトミドル、確変突入50%前後、右打ち時は高継続)も出て来たという事情が関係しているので、今とは状況が異なっています。
ホール側が初代AKBのようなタイプ/スペック機をしっかりと運用できたのは、メイン島の旧MAX機の売上/粗利があったからです。
それが失われた今では、ライトミドルタイプにいかにユーザー誘因力が強い機種が出て来ても、それをまともな運用で長期稼動させる事ができるというお店はごく限られています。
そのリトマス試験紙的なものがシンフォギアであり、このブログでも当初から「運用状況に大差が出る機種」であり、「まともに使えないくせに増台を繰り返して稼動を飛ばしているお店も多い」、また「冬季賞与商戦~年末年始商戦にかけて、機種配置において、ハイミドルタイプ機の売上/粗利が欲しいホール側が、軽めのタイプ機を削って行く過程で、その対象になる可能性もある」などと、私見を述べさせて頂いておりました。
そして、その時期が終わって春先に向けてはまた軽めのタイプ機がシェアを戻し、その対象に選ばれるのは乃木坂などの鮮度が高いコンテンツのライトミドルタイプ機になるだろうという見通しも、既に過去記事で述べさせて頂いております。
ここまでの流れで、2019年の年明け早々の時点で、ホールのメイン島/コーナーに段階設定機能付きの1/200~1/320が鎮座している可能性はまず無い訳ですが、その後に、もしもしっかりとした造りで登場して来た場合には、どのようなパチンコシーンが現出するのか?
結論
長々と前置きをお話しして参りましたが、本題というか、結論です。
パチンココーナーの主役が、段階設定機能を搭載したビッグコンテンツ機(海、北斗、牙狼など)のミドルタイプ機(1/200~1/320)になった場合には、
- 長らくパチンコ畑でやって来たベテランの演者/ライターさん
- 見栄えするルックスや魅力的な話術を有した演者/ライターさん
- スペックや演出等も含めた専門的な機種紹介に定評がある演者/ライターさん
- 芸能人/著名人
- 上記のどれとも違うが、炎上するような言動も含めて、いかなる反響も集客に換える事が出来る特異なパワーを有した演者/ライターさん
これら全員が得をし、ホール営業の場面で大きな需要が発生するものと見通します。
いかにユーザー有利な設定で主力機を運用しても、それをしっかりと体感してもらって日常的な稼動水準を上げて行くのには、長い期間を要します。
外からは見えない設定の中身を、演者/ライターさんから発信してもらおうと考えるホールが増え、その発信の仕方(SNS、動画、ブログ、雑誌など)如何によっては、ユーザーは
- 「このお店の海は魚群が良く出る!」
- 「7が付く日の来店動画を見たけど、北斗コーナーの状況が凄く良いように見えた」
- 「このグループ店の牙狼は、金曜がアツいのか?」
こういった印象を受ける場面も出て来るでしょう。
以上、段階設定機能付きのパチンコ機と来店イベントの関係について、見通しを述べさせて頂きました。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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2018年8月23日公開
ふーん、なるほどね…
メリットがそのまま全部デメリットになるだろうね
どんなに良い機械が出てこようが
全てブチ壊してきたのは欲深いホール企業であることを
もっと認識すべきだと思いますよ?
パチンコパチスロの歴史教科書を見直してくださいね
パチンコに設定が付くけど、釘調整できる時点で意味が無いんじゃないのかな…
お上も射幸心や依存がなんちゃら言い続けるなら、設定式+釘の廃止or完全封入式にするべきやね。
なんやかんや業界を締め付けるくせに釘を簡単に調整できる状態で運用させないようにすりゃいいのに。
ルールだの法律だの抜け道探して運営する業界にグレーゾーンを残す意味がわからん。
一言でまとめると、現状のスロットイベント(ライター等の動画投稿なども含む)がパチンコにも現れる、ということでいいですかね。打ち手には感じられないことなのですが、その現状のスロイベントは店にとって効果がある、という大前提があるから、パチにも応用できるということでしょうか。
時間とフットワークのある専業や学生くらいにしか意味(恩恵、メリット)がないんじゃないかなあ。
正直、ライターとか演者とか要らないんですけどね・・・
立地や環境などで来店系やらないと営業が立ち行かない店舗もあるとは思いますが、
毎日来る客から見れば来店系なんて興味ないだろうし、
無駄金使っているとしか思われてなさそうではありますね。
Pingback: ビッグコンテンツの段階設定機能付きパチンコ機がミドルタイプで出ると、「第二次来店イベントバブル」が発生する | パチパチスロスロあんてな
お上は本気でP業界を浄化する気がないのでしょう。
封入式とか別にいらないのでは?設定を許すのも釘曲げ見逃すのも本質的には同じでしょう。誰も守らない規則なので。
まあ依存症には今日こそ勝てるかもという要素追加されて良かったね。 現実逃避続けられる、
「封入式(釘調節がしにくい)&設定付き」のはずが、何故か設定付きの方が先行しているのが不思議ですね。そもそもが「封入式という目的」の為の「設定という手段」なのに、まさかこんな所で手段と目的の逆転現象を見るとはw
ホール企業によっては(あるいは地域によっては)大幅なマイナス調整がまかり通ってるのが、いまの現実なんですがね(´・ω・)
それに無調整の平均回転数が遊技客に公表されてないのに、そこに設定という不確定要素がさらに重なる。元々あった不信感が倍増されるとしか思えませんね。いまだに一般入賞口に入らない新基準の台がホールに沢山ありますから。
いまのホールは「信用できない」という点に置いては、絶大な信用がありますから(笑) そこかしこで、設定マイナス1~6の台を見かける機会が増えそうですw
結局はまた一時的な物で終わるんでしょうね。『最後の徒花の巻』
まだどうなるか分からない事を憶測で書かれても「はー、そうですか。」としか言いようがありませんが。仮に物事がおっしゃるように進んだとしてもどうする事も出来ないのでは?例えば、人気コンテンツの設定付パチンコがいよいよ島単位で数十台導入となった時にでもまた論理を展開して頂いた方が良いのではと思います。
例えば、パチンコ業界、ホールはどのようにコストダウンに取り組んでいるのでしょうか?楽太郎さんのお店ではここ3年でどのような方法でどれ位のコストダウンに成功したか?等々の話題でもどうですか?従業員の気分としか思えない様なエアコンの入れ具合。従業員の数が稼働に見合っておらず、チンタラなお店。そんなのばかり感じます。
徹底的にコストダウンして、ライトミドルと甘を増やすお店でも出してみては?
色々な見方やご意見があろうかと思いますが、Sに比べて苦戦が続くPにとって、少しでも活性化に繋がれば良いですね。
前向き大事ね!