パチンコ店内に銀行ATMを設置するのは、問題ではないですか?-回答

今回は、ホール内の銀行ATMに関するご質問にお応えします。

 

Y さんからのご質問

初めて質問させていただきます。

 

初歩的な事かも知れませんがお教えいただけますと嬉しいです。

 

私はたまにパチンコを打つ程度ですが、パチンコ店でATMを置いている店があるのをたまに見る時があります。

 

あれは問題にならないのでしょうか。

 

個人的には消費者金融のビルがパチンコ店の近くにあるのには問題があると思っていて、ATMがパチンコ店にあるのも同じようなものだと思います。

 

かといって、不思議な事にあれを利用している客を今まで一度も見た事がないです。

 

たまたまなのか、それとも普通の銀行カードでは使用できない、会員カードと連動した専用のATMなのでしょうか?

 

お時間がある時で構いませんので宜しくお願いします。

__________

ここまでが、Y さんからのご質問です。

(全文そのままです)

 

それでは、回答です。

ネコノールック

回答

結論

お問い合わせの中には、いくつかのご質問がありますので、まずは個別に箇条書き的に回答して参ります。

 

Q.①ホール内のATMは問題視されていないのか?

A.問題視されている。

監督官庁である警察庁は、数年前からカジノ関連の動きが具体化する過程で「依存問題対策」の観点からそれを問題視し、ぱちんこ業界側に対して「自主的な撤去」を求めている。

しかし、ATMの設置は民間企業同士の契約に基づいており、それ自体に違法性が全く無いため、警察庁や業界団体が強制力を発揮して当該店舗に撤去させる事は不可能である。

 

Q.②ATMがホール内に設置されているのは見掛けるが、利用者を見た事が無い

A.最初に導入が始まったのは2007年11月からであり、2018年末時点で1都20県、合計1,146店舗が設置している(後述する「中間答申」を参照)。

現在のホール軒数(ここでは、遊技産業健全化推進機構への「誓約書」提出軒数とイコールとする)は2019年6月末時点で9,869店舗であり、その設置比率は11%ほどである。

ホール内ATMは、何か特別な手順を踏まないと利用できない、という類のものではないため、ご質問者が「設置しているのはたまに見るが利用者は見掛けない」という事については、設置店舗数の割合がそこまで多くはないという事と、後述するような「利用制限」が関係しているものと推察する。

 

Q.③ホール内のATMは、普通の銀行ATMとは仕様が異なるのか?

A.ホールの会員カードと紐付けられてはいないが、銀行やコンビニ等に設置されているATMとは、仕様が異なっている。

ATMシステム運営会社によって利用状況が管理されており、複数店舗において利用する際にも1日の引き出し回数は2回まで、利用金額の上限は3万円まで、月間での上限は8万円に制限されている。

また、銀行ATMのように「貸付」機能は付いていない。

 

…回答としては、端的には、こんな感じです。

 

②と③については、説明させて頂いた内容で十分かと思います。

 

後段で、Y さんが

 

「個人的には消費者金融のビルがパチンコ店の近くにあるのには問題があると思っていて、銀行のATMがパチンコ店にあるのも同じようなものだと思います」

 

とご指摘であった、ホール内にATMを設置する事の是非について、業界内で話題になっている事柄について、ごく簡単にではありますが補足説明させて頂きます。

 

補足説明

以下、2019年6月18日に開催された日遊協の通常総会における警察庁生活安全局保安課課長山田氏による行政講話の中で、本件に関係する箇所を抜粋します↓

 

営業所の ATM 等の撤去等についてです。

ATM 等については、その設置が民間事業者間の契約関係に基づき行われているという現状に留意する必要があり、ギャンブル等依存症対策推進関係者会議においても、業界関係者から「法的に、事業者と事業者で契約をしているということ自体で、ATM の撤去は非常に難しい」との発言がされておりますが、その一方で、同会議においては、ATM 等に利用限度額が設定されているとの説明がなされても、なお、複数の委員から ATM を撤去してもらいたい、具体的には「関係が無いから無くしませんということにはならないと期待しております。」、「どうしても、ぱちんこをやっている状況の中でそこに設置されていると非常にお金を使いやすくなると、外からはそのように思えますので、やはり社会の理解を得るということも含めて、業界の中で啓発をしていっていただきたいと思います。」、「やはり ATM は撤去していただきたい。」、「依存症の方々を救うという面から言いますと、事業者の利益や利便性のためにその方々を踏み台にしてまで設置しておく必要はないのではないかと思います。なので ATM の撤去の件も実効性ある検討をしていただきたいと思います。」

といった発言がなされております。

こうした関係者会議での議論をも踏まえ、業界として基本計画に基づく取組を推進するようお願いします。

[引用]「遊技通信web」2019年6月19日up

『日遊協総会で警察庁保安課の山田課長が講話』より抜粋

 

次に、2019年4月のパチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議における資料である『パチンコ業界の依存問題対策について~21世紀会の諮問に対する中間答申~』の中から、本件に関係する箇所を抜粋します↓

 

《評価・見解》

このように銀行ATMとデビットカードシステムはのめり込み防止対策を講じてきたが、基本計画では撤去を推進する施策の検討を求められることとなった。

法律上、パチンコ店内に銀行ATMやデビットカードシステムを設置することは制限されていない。

したがって、21世紀会、あるいは全日遊連がパチンコ店から銀行ATM等の撤去を事実上強制したりすれば、事業者団体による競争制限的な行為や競争阻害的な行為を禁止する独禁法その他に抵触するおそれがある。

ただ、経済的に破綻する心配があるという法律以外の観点から、店内で金が引き出せるのは問題ではないかとする指摘もある。

こうした指摘も考慮しながら、パチンコ店内の銀行ATMとデビットカードシステムの設置の是非は考える必要がある。

どのような方法があり、業界がどう対応するのか、国民から注目されており、何の検討もないままでは依存症対策への姿勢そのものが問われることになるように思われる。

 

…引用は、上記の通りです。

 

最後に、上記の中間答申の中にあった「法律以外の観点」から問題視されるという事について、簡単に解説させて頂き、本稿を締めたいと思います。

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「対世間」が問われるご時世

世間では、無茶苦茶な事ばかりやっている業界のように思われがちですが、ホールの組合組織である全日遊連としては、法令上問題が無い事であっても、企業におけるソーシャルライセンスの観点から最大限配慮したり、「世論」に沿うように対処して行くのが好ましいという考え方を持っており、近年の全国理事会などの場における阿部理事長の発言にも、そういった主旨の文言が常に見て取れます。

 

ソーシャルライセンスの直訳としては、一般に「社会的営業免許」が充てられるかと思いますが、これは社会からの理解を得ながら企業としての営利活動を行う、という意味になります。

 

多額のお金が出入りしたり、何か事件や問題が発生するとその原因或いは遠因として結び付けられて話題にされる事も多いぱちんこ業界ですから、風適法をはじめとした法令に則って営業するだけでは足りないだろう、という考え方です。

 

これは、他の、そもそも尺度が曖昧な事情についても同じ事が言えます。

 

例を挙げると、消費電力が多い/少ない、節電の取り組みが十分/不十分という「程度問題」を考えるにしても、過去のある時期との比較上では大幅に削減していたとしても、ぱちんこ業界に対しては向けられるチェック目線が厳しいので、まだまだ取り組み不足であるとみなされる場面も多いかと思います。

 

これは、社会貢献の在り方についても同様です。

 

そういった意味でも、法令上は問題が無いんだ、数値上は十分なはずだ、などと業界側が主張しても、それが社会から認められるか、許容されるかと言えば、別問題だったりします。

 

ここで、

 

  • その「社会」或いは「世間」の判断や心象は正しいのか?
  • そもそも、それに適う形で「改善」する「必要」があるのか?

 

などと考えて行きますと、また話がややこしくなりますので、ここでは割愛させて頂きます。

 

店内ATMの設置の是非については、私としては

 

「11%ほどの現行設置店舗が折れて撤去してくれれば業界としては格好がつくのだから、是非やって頂きたい」

 

という気持ちはありますが、その一方で

 

「都市部であれば、他に出金可能な場所も沢山あるだろうから撤去したところで特に何のマイナス影響もないだろうが、では地方であればどうか?近隣にコンビニすら無い立地ではどうか?」

 

などと考えて行きますと、ホールにATMがある事で便利に思っている住民も居たりするのではないか、と思い至ります。

 

なので、やはり業界の統一見解/対応としてATM設置は対世間を考えた際に宜しくないよね、というのが理想ではありますが、業界団体である全日遊連がそのような方向性で強力に推進して行く事は不可能に近いと判断します。

 

では、監督官庁たる警察庁が大ナタを振るう形で撤去に向けて指導するのかと言えば、これも直近の行政講和や、第三者的な立場の方々が出席した重要な会合での発言の内容を見ますと、可能性としては極めて低いと判断します。

 

【参考】2019年8月9日公開

『8月5日「時代に適した風営法を求める議員連盟」の会合の内容について』

 

そんなこんなで、Y さんにおかれましては、必ずしも満足感がある回答ではなかったかと思いますが、業界団体が置かれている状況や強制力を発揮しにくい法令上の問題がある事だけでもご理解下されば幸いです。

 

 

以上、今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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[記事情報]

2019年11月23日公開

2 comments on “パチンコ店内に銀行ATMを設置するのは、問題ではないですか?-回答

  1. ジャグキチ

    いわゆるパチンコATM、あれ群馬県の東和銀行が設置しています。

    自分都内ですけど、あのATMを使う人、結構見かけますよ。

    一度ご利用案内を見ましたが、無条件で手数料がかかるようですね。なので、私は一度も利用した事ないです。

    今でこそ楽太郎店長の説明通り引出し金額に上限が設けられていますが、つい最近まで無制限で引出し出来たと記憶しています。

    東和銀行と中間業者と設置パチンコ店で手数料を折半なんですかね?いつまでも設置してあるって事は儲かるからなんでしょうね。

    Reply
  2. パチンコおじさん

    私の地元ではコンビニが併設されているホールが増えてます
    コンビニのATMなら文句が言われないからなんでしょうかね?

    Reply

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