今回は、貸玉/メダルについてのご質問にお応えします。
メントス木村 さんからのご質問
こんにちは
いつも記事を読ませていただいています。
サンドで貸し出す玉・メダルの個数について質問があります。
私の普段通う店ではずっと1個4円と20円で貸し出しだったのが、今年の■(注:日付)から変わって[500円/116個]、[1000円/47枚]になり、社員の人が言うには「消費税が10%になったら更に減らす予定」とのことでした。
個人的にはスロットの方は減る枚数が多すぎてこれ以上だとちょっと厳しいなと感じますが、パチンコの方はフロック賞球かスタートでカバーしてくれるのであれば別に500円あたりもう何個か減っても気にはしません。
パチンコは釘の状態の方が大事ですので。
ホール経営での消費税は端数があって計算が面倒なようですが、以前の記事の通りならパチンコは500円で115個、スロットは1000円で46枚にする店が増えるということになると思います。
楽太郎さんは今回の増税でそうする店が増えると思いますか?
8%時はやっぱり一気に増えたのでしょうか?
それとも、新台はスペックが悪くなっているので客から持って行かれる分も減るのでプラマイゼロと考えて貸し出しの個数は据え置く店が多いと思いますか?
減らした場合は割に合わないと思って打ちに行く回数や使う額が減る客も出て来ると、個数を減らした分だけ店が楽になるのではなく売上減でマイナスに働くと思うのですが・・・・
どのようにお考えか教えて下さるとありがたいです。
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ここまでが、メントス木村 さんからのご質問です。
それでは、回答です。
回答
結論
まず、結論から先にお応えします。
現行の8%から、10%への消費増税が影響して、
- 貸出個数削りを新規に実施するお店が増えると思うか
- 現行の貸出個数から、更に削るお店が増えると思うか
これについては、
「増えると見通す」
という回答になります。
ホール営業における消費税の考え方は結構面倒な訳ですが、今回はそこら辺の解説はごく簡単なものに留めて、ご質問に直接関係する事についてのみデータを参照しながら見通し的に考察してみようかと思います。
その前に、ご覧頂いた「以前の記事」というのがどれなのかはっきりしませんでしたが、おそらくは↓
【参考】2019年6月29日公開
こちらの記事であると想定して、それをご理解頂いたという前提で解説して参ります。
また、参考までに、今回のご質問とは少し観点が違った↓
「例えば現在通っている店は49枚貸しの50枚交換店ですが、これを58枚貸しの60枚とか、又、逆に39枚40枚貸し等は可能なのでしょうか?」
「法令か省令かはわかりませんが、法律的な縛りは有りますか?」
このようなご質問に回答させて頂いた記事もありますので、せっかくの機会ですから紹介致します。
【参考】2019年1月11日公開
『スロット6号機時代や消費税10%時代の到来にあたり、貸出枚数や交換枚数を変更するお店は増えますか?-回答』
消費税について
まず、消費税そのものについて、軽く振り返ってみます。
最初に、1989年4月に、竹下内閣において消費税法が施行され、3%での制度運用が開始されました。
次いで、1997年4月、橋本内閣時に3%から5%へと引き上げられ、それから17年経った2014年4月から、現行の8%への引き上げとなりました。
ぱちんこ業界にとっては、3%時代は、業況が良かったという事が一番の理由で、増税を負担に感じるかと聞かれれば、別段気にするようなものではなかったと言えます。
次の、5%時代は、制度運用の開始当初は極端に負担に感じる程ではありませんでしたが、2011年以降の広告宣伝規制や総付景品規制等により、より高い売り上げを得るための営業上の手段を失った事が影響して、増税を負担と感じるお店が増えたものと推察します。
そして、2014年4月からの8%への増税においては、その上昇分自体がまずは負担として改めて認識される中で、2016年における検定機と性能が異なる可能性のある遊技機=「不正」遊技機の撤去が進行する事で、その対象機が主にホール営業の柱であった旧MAX機であった事から、売上/粗利の水準が大きく低下し、また先行き不安も助長したと言えます。
それに輪をかける形で、遊技機メーカーはもちろん販社、周辺機器メーカー、運送業者等も含めて、ぱちんこ業界全体として経営状況が悪化したため、機械代の高額化や手数料等の増額という形でホール側に負担増を求める事になりました。
そういった流れで、改めて、今回ご質問の主旨である↓
- 遊技客全体から等しく負担して頂く事が可能なやり方である「貸出個数削り(遊技料金の引き上げ)」を実施するお店が増えると思うか?
- 8%への増税時は、それがきっかけとなって、「貸出個数削り(遊技料金の引き上げ)」を実施する店舗数が一気に増えたのかどうか?
これについて、データを参照して解説し、締めさせて頂こうかと思います。
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貸出個数削り(貸玉料金の引き上げ)について
以下、ダイコク電機のデータブックを参照し、先ほどお話した2014年4月以降(=8%への増税)に貸出個数削り(貸玉料金の引き上げ)を実施した店舗数の割合をご覧頂きます。
<パチンコ>
2014年6月 | 1.2% |
2014年12月 | 2.4% |
2015年6月 | 2.9% |
2015年12月 | 2.8% |
2016年6月 | 3.2% |
2016年12月 | 3.4% |
2017年6月 | 4.3% |
2017年12月 | 4.9% |
<スロット>
2014年6月 | 3.5% |
2014年12月 | 13.8% |
2015年6月 | 15.2% |
2015年12月 | 15.1% |
2016年6月 | 15.6% |
2016年12月 | 17.2% |
2017年6月 | 18.8% |
2017年12月 | 23.7% |
©DAIKOKU DENKI
[参照]『DK-SIS白書2018』
「拡がる貸し玉料金引き上げの動き」 より
データ的には、こんな感じになっています。
前段で解説させて頂いた、その時々の増税と業況との関係上、ホール側が8%から10%への増税を負担に感じ、その対処として遊技客側に負担を求めるか否かと考えますと、貸出個数削りを実施するお店は増えるものと見通します。
今回の増税においても、ホールの経営/店舗運営の負担増はもちろんですが、やはり遊技機メーカーをはじめとした業界全体の企業経営に与える影響は避けられず、それによってホール側に負担増を求める流れは避けられません。
ゆえに、エンドユーザー側にも、その影響が出るものと推察します。
以上、今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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[記事情報]
2019年8月30日公開